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リリなのinボクらの太陽サーガ
脱出
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再開した。牢獄を挟む通路を先に進んでいき、地下二階へ続く螺旋階段の部屋に入ろうとするが……。

ピチャ……。

『ん?』

いきなり自分の服に何か液体らしきものが付着し、確認するマキナ。俺達も何となく確かめてみると……真っ赤で鉄臭い液体がポタポタと滴って服に染みを作っていた。

『ち、血っ!?』

「上だッ!!」

部屋の天井から獲物を狙う虎のような殺気を察知して俺は咄嗟に叫び、それを聞いた皆は思わず見上げる。するとそこでは見るも醜悪な光景が広がっていた。アンデッド化した研究員を、文字通り喰っている一人の女性……暗黒物質を取り込んでいる訳だからこの女性も半ばアンデッド化している。そしてマキナの服に落ちてきた血は、喰われている研究員の身体から滴ったものだった。

「そうか……! コイツが日記にあったナタリアの……成れの果てか!!」

『注射で何かのウイルスに感染して、その上アンデッド化までしている……! こんなヤバ気なのとまともに戦える訳が無いよ!』

「時間も押してるし怪我人も担いでるから、こんなのと戦ってる場合じゃないし、戦える状況でもない。逃げよう! 早く!!」

「ォ……ォォァ……! キシャァァァアアアアアッッ!!!」

「あ、気付かれちゃった! ボクが足止めをするから、皆は走って!!」

途端に始まる逃走劇。ヤツは忍者と獣が融合したような人間離れの身体能力で飛び、こちらに襲い掛かって来る。瞬時加速でレヴィが俺達とヤツの間に入り込み、バルニフィカスで防ぐが、そのあまりの力でレヴィが後ろに押されていた。

「うわっと!? 驚いた、まさか力のマテリアルであるボクよりも強いパワーだなんて……でも、それぐらいでボクが怖気づくなんて事は無いよ!!」

螺旋階段であるため、途中の位置でもアンデッドと戦っているレヴィの様子が見える。彼女は自分の魔法とホドリゲス新陰流を混ぜた攻撃的なスタイルでとにかく攻め続け、アンデッドに自由に動ける時間を与えない様にしていた。なにせあのアンデッドは研究のウイルスによって能力が異常に強化された状態で暗黒物質に汚染された訳だから、そこらの変異体を上回る脅威を誇る。故に一瞬でも隙を与えてしまえば、自分の首を絞める事に繋がる。それが本能でわかってるからこそ、レヴィは息をつく間もない連続攻撃をひたすら繰り出しているのだ。

彼女の奮闘を信じて俺達は全速力で螺旋階段を駆け下り、地下二階へ到達する。そして空港に通じる通路に入った途端、いきなり警報が鳴った。

『当該区域への異分子の侵入を確認しました。これより排除を開始します』

「これってもしかして……入り口をレールガンで無理矢理突破したから、セキュリティが働いたのかも……!」

『え、これ私のせい!? ……ごめんなさい!!
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