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リリなのinボクらの太陽サーガ
脱出
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運搬通路へ入るには、途中にある地下一階と二階を経由していく必要があった。しかし従業員や社員がことごとくアンデッド化しても、建物が急に劣化したりする事は無い。故に今、俺達はこのビルのセキュリティを前に少し手こずっていた。

『IDカードを入力してください』

地下へ通じる階段を塞ぐ鋼鉄の扉の前で立ち往生している俺達に、セキュリティの音声が再三カードを要求してくる。レヴィが扉をガンガン叩いたり、バルニフィカスで斬ったりしているが、相当頑丈であまり効果が無く、彼女は両手を上げてプンスカ怒っていた。

「もう! 何回言われても、ボク達そんなの持ってないよ〜!」

「多分、PAN(パーソナル・エリア・ネットワーク)という人体通電技術が使われたカードの事を指してるんだと思う。近づくだけで扉が開けられるし、社員かどうかも識別できる便利な技術だから、企業区にある建物のほとんどはこのセキュリティが施されているって聞いた事がある」

「ならそこらへんのアンデッドをちょちょいっと倒せば、このビルのIDカードを持ってるのもいるかも! じゃ早速行ってく――――」

チュドォォオオンッ!!!!

『カカカカカカ………ドヲ、ニュニュニュニュ……シテクダササササササササ……』

『よ〜し、開いた! 早く行こう!』

「うわぁ〜……………レールガン、強ぇ〜」

レールガンをぶっ放してセキュリティを扉ごと物理的に破ったマキナが、ドヤ顔でこちらを見る。あまりに豪快な突破法を目にして、来た道を戻ってアンデッドの大群に突撃しようとしたレヴィですら目を丸くしていた。ま……どんな手段であれ、通れるようになったんだから別にいいか。しかしセキュリティの音声がバグったように同じ言葉を連呼する中、俺はマキナの天然混じりな問題解決法で通った事をどこか不安に思っていた。







地下とは即ち光の当たる地上と対を為す場所であり、光は太陽でも世間の目でも意味する。そのため地下では、ある者達にとって公表したくないものが隠蔽されている事も多い。が、隠されたソイツもまた、その空間から出ようと虎視眈々と機会を狙っているのが普通にあり得る。なんでこんな事を考えているのかというと、このビルを建てた企業もまた、アレクトロ社とどっこいどっこいな腹黒い研究を行っていたという事だ。

俺達のいる細い通路から防弾ガラスで挟んで密閉された両隣の……牢獄の中には、猛獣に着けるような頑丈な鎖に繋がれている人間の死体が転がっていた。しかも大人より子供の比率が圧倒的に多い。この数から恐らくニダヴェリールの人間じゃなさそうだが……どちらにせよ、酷な事を……!

「ここでも命を弄ぶ研究を行っていたのか。次元世界の人間はどこまで俺を失望させれば気が済むんだ……」

『サバタ様……こ
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