序章 May―踊り始める現在
Does he already know it?
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◇
(優side―デュノア社内)
車でデュノア社の敷地内に入る。
既にそこにはフランス警察とIS委員会フランス支部の方々が捜査を行っていた。
「君!勝手に入られちゃ困るよ!」
「あー。こういうものです」
止められた警官に身分証明書を見せる。
「国際IS委員会日本本部AIF副隊長、黒川 優……。し、失礼しました!」
警官の顔がみるみる青くなる。
AIF(対IF部隊)はIS、亡国機業に関連する事件等を処理するため、俗に言えばエリートと言われてもおかしくない所なのだ。
あんな言い方で引き留めてしまえば首が危ない。
「いいって19のガキに気遣わなくて。じゃあ失礼」
ひょいと中に入り現場を確認する。
「こりゃまたすげぇな……」
社内の中庭は弾丸の跡で一杯だった。
「えーっと……」
アリスが渡してきた資料に目を通す。
狙われたのは社内の空きとされているラボ。死亡者、怪我人はゼロなのは救いである。
ただ不思議な点がひとつ。
「使用されたのが『クアッド・ファランクス』?」
『クアッド・ファランクス』は装備すると本体は動けないことから通常のISに積むこともないため生産数は少ない。
その分、特定には時間がかからない。
(これは社長に聞いた方がいいか)
とっとと特定してフランス支部に委託させれば事件は解決。
俺は休暇が取れる。
そんな風に楽観視しながら俺は社長室のドアを開けた。
「デュノア社長、失礼します」
「黒川 優君だったかな?息子のこと以来だね」
息子のこと以来とは、
フランスに現れた男性IS適合者はIF操縦者の可能性があるため調査をしたのだ。
IFのコアがあればそれを代用することでISに乗れる可能性があるからだ。
「その時はお手数をお掛けしました。それで今回使われた武装についてですが…」
「それはこちらでも調べてみた」
流石一流企業。対応が速い。
「で、結果は?」
「それが…、わが社に登録されたものではなかった」
「……ないと?でも、弾丸はここで作っているものですよね?」
「信じられないが同じものだ」
「…………」
着弾した弾を見るかぎり放たれたのは上空。
だが、『クアッド・ファランクス』を装備したISが飛翔することは不可能。
つまり、これは不可能犯罪――
「黒川君。私の推測ではあるがこの襲撃『亡国機業』の仕業じゃないかと」
亡国機業。確かに活動の一つにラボを破壊する謎めいた行動をする。
だが、亡国機業がわざわざ企業のラボを破壊する利点は無いはず。あるとすれば……。
「もう1つ言いにくいことですが、この社内の何者かの可能性があります」
「…………」
あくまで可能性の一つ
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