76ディオドラ戦・それぞれの戦い2
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俺の声に反応し、こちらへ顔を向けた。薄く笑う。
「アザゼル。久しい」
「以前は老人の姿だったか? 今度は美少女さまとは恐れいる。何を考えている? オーフィス」
そう、こいつは『無限の龍神』オーフィス! 『禍の団』のトップ! 間違いないぜ。こいつから漂う不気味で言いようのないオーラはオーフィスのものだ。
以前会ったときはジジイの姿だったが、今回は黒髪少女かよ。まあ、こいつにとっては姿なんてものは飾りに過ぎないか。いくらでも変えられる。
こいつ自身が出張ってくるってことは、今回の作戦はそれほどこいつにとって重要でデカいのか?
だが、先ほど見つめていたフィールドの場所は中央の神殿ではなくもっと遠く
「見学」
「高み見物ね……。それにしてもボスがひょっこり現れるなんてな。ここでおまえを倒せば世界は平和か?」
俺は苦笑しながら光の槍の矛先を突きつけるが、奴は首を横に振った。
「無理。アザゼルでは我を倒せない」
ハッキリ言ってくれる。だろうさ。俺だけじゃおまえを倒しきれない。それはわかっている。だが、おまえをここで倒せば『禍の団』に深刻な大打撃を与えるのは確実なんだよな。
「では、2人ではどうだろうか?」
バサッ!
羽ばたきながら、舞い降りてきたのは――巨大なドラゴン!
「タンニーン!」
元龍王のタンニーン!
こいつもゲームフィールドの旧魔王派一掃作戦に参加していたのだが、一仕事を終えてこちらに向ってきたようだ。それに黒歌たちももうすぐこちらへ向かってくるだろう。全員でかかればオーフィスといえど倒せるはずだ。
タンニーンは大きな眼でオーフィスを激しく睨む。
「せっかくの若手悪魔が未来をかけて戦場に赴いているというのにな。貴様が茶々を入れるということが気に入らん! あれほど、世界に興味を示さなかった貴様が今頃テロリストの龍王だと!? 何が貴様をそうさせたと言うのだ!」
俺もタンニーンの意見にうなずき、さらに問いただす。
「暇つぶし…なんて今頃流行らない理由は止めてくれよな。おまえの行為ですでに被害が各地で出ているんだ」
そう、こいつがトップに立ち、その力を様々な危険分子に貸し与えた結果、各勢力が被害をもたらしている。死傷者も日に日に増えてきた。もう無視できないレベルだ。
何がこいつを突き動かし、テロリスト集団の上に立たせた? 俺にはそれだけがわからなかった。いままで世界の動きを静観していた最強の存在が何故いまになって動きだしたのか?
そのオーフィスの答えは予想外のものだった。
「――静寂な世界」
…………。
一瞬、何を言ったか理解できなかった。
「は?」
俺は再び問
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