4部分:第四章
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に察しをつけた。そのうえで王と教皇に対して叫んだ。
「はかったか!」
「まさかとは思ったが」
「何のことか」
だが王は白を切った。口の端を禍々しく歪めての笑みと共に。
「異端の者の言葉なぞ聞くに値せぬ」
「フランス王の言われる通り」
「黙れ、王の傀儡が!」
「貴様には言われたくはない!」
「言ったな」
今の教皇への侮辱に応えたのは本人ではなかった。フランス王だった。彼はその禍々しい笑みをそのままにまた言う。騎士団の者達に対して。
「教皇様を罵倒するなぞ異端の証拠」
「やはり許してはおけぬ」
「許さぬとすれば何なのだ」
「言ってみよ」
「捕らえよ」
王が悪魔の顔で兵士達に指示を出した。
「そのまま連れて行け。よいな」
「はっ、それでは」
「その様に」
「おのれ、フィリップよ!」
「クレメンスよ!」
激昂した騎士団の者達は左右から掴まれ動けなくなりながらも彼等の名を叫ぶ。
「例え我等に何をしようとも!」
「我等は何も言わぬぞ!」
「そうか。ならば無理にでも言わせるまで」
地獄の底から出て来たような顔だった。陰惨な顔色になり悪魔の笑みはそのままで。目は赤く輝いている。王も教皇も同じ顔になっていた。
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