十二話:試合と日常
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がどいつもこいつもが語尾に『爆発しろ!』とつけてくるので中々交友関係が深まらないのだ。
廃車場のおじさん達とは仲が良いがあれは友達というよりも親戚のおじさんという感じなので却下だ。
「俺としてはもう少し男の友達が欲しいんだがな」
「女の俺が言うのもなんだけどよ、お前すげームカつくこと言ってるぜ」
「男と居る方が本当は気楽なんだが」
「……私、今どうしょーもなくリヒターを殴りたい気分になってきとるんやけど、殴ってもええ?」
「鉄腕は我々の業界でも拷問です」
目の座ったジークが無表情で拳に息を吹きかけているのが中々に怖い。
まあ、俺の自業自得だというのは分かってはいるけどな。
そんなことをしているとなんかミウラちゃんの周りに大量に魔力が集まり始めた。
あれは収束魔法なのか? 対するミカヤは俺に対しては決して向けてくれなくなったすがすがしい笑顔でミウラちゃんを迎え撃とうとしている。
「ミカ姉、逃げる気はサラサラねえな」
「いつだって最速最強の一閃で斬り伏せるんがミカさんのスタイルや」
「……こうやって聞くと、初めてお前がチャンピオンだってことが分かるな」
「なら、いつもは私のことどう思っとるんや」
「チャwンwピwオwンw」
「悪意しか感じられん言い方やけど!?」
そう言われても普段があれなために敬意を持って『チャンピオン(キリッ)』なんて呼べないだろ。
何とも緊張感のないやりとりをしていると試合がいつの間にか動いていた。
まあ、ジークもハリーも試合からは目を離してなかったポイけどな。
ぶつかり合う脚と刀。凄まじい衝撃音の後二人は一端距離を取る。
しかし、それもすぐに終わり再び両者はぶつかり合う。
「これで勝負が決まる」
普段からは想像もつかないキリリとした表情のジークが告げるので俺も集中して見る。
ミウラちゃんの右脚がミカヤの晴嵐とぶつかり、勢いそのままにぶち砕く。
すぐにミカヤは折れていない小刀で反撃に出ようとするが時すでに遅く、ミウラちゃんの左脚が腹部に深々と突き刺さっていた。
「一閃必墜ッ! 抜剣・星煌刃ッ!!」
その小さな体から放たれた蹴りは決して小さい威力という事は無く、ミカヤを弾丸のように吹き飛ばし、壁に叩きつけ巨大なクレーターを創り出す。
土ぼこりが晴れた後に立っているのはミウラちゃん、そして力尽き気を失っているのはミカヤ。
つまり、この試合の勝者は―――ミウラちゃんだ。
『試合終了ーッ!』
ゴングが響き渡り試合の終了を告げる。
俺は倒れたまま動かないミカヤをジッと見つめながら悲壮感を漂わすジークとハリー達に話しかける。
「なぁ……あと少しで、あと少しで―――」
「そや
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