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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
17.キャットシッター・ミネット
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「にゃにゃにゃっ!?」
「ふ、ふにゃごろーん!」
「にゃふ〜♪」
「みゃあ〜〜!みゃあ〜!!」
「お……おお!?なんだかよく分からんが猫たちが眼の色を変えて謎の液体の方へ寄っていく!?」

 既に自分が謎のダークサイドに堕ちかけていたことも忘れてリングアベルはホッと息をついた。
 件のユウとジャンは、猫たちの居た場所から金色のバッジを拾い上げて「おお!」だの「ああ!」だのとよく分からない感嘆詞を上げている。

「あった、あったぁぁぁ〜〜〜!!!………って猫臭っ!?」
「こいつだよこいつ!!………って涎でべちゃべちゃになってやがるっ!?」
「よ、よく分からんがあの二人には礼を言っておいた方がいいのか……?」

 一方ミネットは必死の形相で猫たちに指示を飛ばしているが、ことごとく無視されている。
 皆が皆またたびエキスに夢中になりすぎてだらしなく涎を垂らしており、先ほどまでの戦いの雰囲気は完全に霧散していた。予想外のだらしなさにミネットも目を白黒させるばかりである。

「ちょっ……みんなミネットの事は無視にゃ!?またたびならリングアベルを八つ裂きにしたら買ってあげるから、お願いだから話聞くにゃ〜〜〜!!う、うう……猫は決して裏切らないけど目先の欲望に忠実すぎるにゃぁぁ〜〜〜!!」

 そう、猫は猫でしかない。一度夢中になれるものを見つけると、自分の満足する限りずっとそちらに目を奪われ続ける。信頼とか友情とかもないわけではないのだろうが、猫たちの頭は葛藤という感情を生み出すほど複雑な思考をすることはまずない。

 ミネットはこんな重要な局面で初めて猫に期待を裏切られて、力なくがっくり膝をついた。
 ひょっとして、戦う気概が削がれた今ならば話し合えるかもしれない。自身も出来るだけ剣を振るいたくないし、彼女を傷付けたくない。リングアベルはがっくり項垂れる彼女に近づき、一縷の望みをかけて説得を試みた。
 
「………なぁ、ミネット。一度話をしないか?」
「う、うるさいにゃ……!!今更話す事なんて何も無いにゃ!!」
「だが、お前の頼みの猫たちはあそこでみんな酔いどれているぞ。それに、何故ミネットが俺を襲おうとしてるのか、俺自身も理由が知りたいんだ」

 それは嘘偽らざる本音だった。
 自分が殺されなければいけないのは何故か。アスタリスク持ちだからか、ファミリアに関係しているのか、それともミネットの個人的な事情に起因するのか。

 しかし、そんなリングアベルに応えたのは彼女の斧による一閃だった。
 チッ、と刃が胸元を掠り、一張羅に更なる傷がつく。

「うおぉぉッ!?あ、危ないじゃないかミネット!?話をするのがそんなに駄目か!」

 咄嗟に身を引いたために怪我にはならなかったが、その斧を振るったミネ
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