17.キャットシッター・ミネット
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らかな異常に気付かされる。
(尾を食む蛇の模様……!?彼女の額に浮かび上がってる!?)
今まで彼女の額に、あんな妖艶で邪悪な印はど存在しなかった。
尾を食む蛇――それは「ウロボロス」と呼ばれ、永遠を意味する記号だと聞いたことがある。
そして同時にリングアベルは酔っぱらった冒険者からこんなことも聞いていた。
オラリオ最悪の人殺しファミリア『ウロボロス・ファミリア』のメンバーには、体のどこかに必ずウロボロスの印がある、と。
ミネットが、あのカツオブシ相手に必死になっていたようなミネットが?
しかも何故、昨日偶然出会っただけの自分の命を狙うような真似をしてきたのか?
目まぐるしく変化する状況の中で、頭だけが空回りして答えが出てこない。
肝心の日記も、この状況では何の当てにもならなかった。
考え事をする今も、ミネットは絶えず敵意を放っている。昨日の可愛らしくて無邪気な姿とは似ても似つかない気配を放って。
「ミネットは……リングアベルを殺して、『あれ』を返してもらうにゃ!もう二度と、野良には戻らにゃい……例え人を殺してでも、ミネットは家を離れるのは嫌にゃッ!!
(まずい……これは非常にまずいぞ……!?彼女が噂のウロボロス・ファミリアと関係があるのかは分からないが、彼女は本気だ!しかもさっきの一撃を繰り出した猫がそこらじゅうに……!?)
咄嗟に剣を抜いて構えたリングアベルだったが、魔物並みの戦闘力を持った猫の四方八方から迫る来る一斉攻撃を捌くのは事実上不可能に近い。かといって何もせずにその場にいれば売店の肉のように解体されて、無残にも命を散らすことになる。
このままでは、間違いなく殺されてしまう。
何か生き残る方法はないか周囲を見渡すが、この公園には祭りの影響か全く人がいなかった。
人通りがなくなることも計算の上でここに呼んだのだろう。これでは助けを求めようにも人そのものがいない。しかも、下手な人を呼ぶとこの猫に斬り裂かれて余計な犠牲者まで出してしまう。
考えれば考えるほどに泥沼にはまり、生存確率の目算が減少していく。
「怖いにゃ?震えが止まらないかにゃ?でも、駄目にゃ。リングアベルは、今日、ここで死ぬのにゃ……」
「そいつは――困る。俺はまだ全世界の女性とお近づきになっていないし、迸る愛を持て余しているからな」
「大丈夫にゃ。お墓くらいなら立ててあげるにゃ……だから、バイバイ」
「ぐ、うううううッ……!!」
ここで、何も分からないま死ぬのか?
求める彼女に会う事すら許されず。
女神ヘスティアや弟分ベルに何も言い残すことなく。
自分の記憶を取り返すこともなく――?
死。その一言を想像した瞬間、リングアベルの脳裏を激しい衝動が揺さぶ
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