17.キャットシッター・ミネット
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う。ひょっとしたら先ほど捜索を頼まれた猫のリンリンもこの中にいるのかもしれない。
元々彼女は猫と会話が出来ていたし、彼女ならこのような状況を作るのも不可能ではない。
しばし黙考したリングアベルの目が、カッ!と見開く。
「なるほど、分かったぞ!!」
大量の猫、待ち合わせ場所、姿の見えないミネット。これらの情報から読み取れる情報はただ一つ。
「つまり!!この猫の大群はミネットからの挑戦状!この猫の大群の中から自分を見つけてみせろというお茶目な隠れんぼをしかけているのだなっ!?」
いつでもポジティブリングアベル。この状況にさしたる疑問も抱かずに彼は公園へ踏み込んだ。
猫たちに占領された公園の奥へと歩くと、周辺の猫がリングアベルの方に振り向く。その目は可愛らしい普段のそれとは違い、どこか警戒や威嚇を含んだ敵意が浴びせられる。
「………なんだ?いやに機嫌が悪いな。お腹がすいているのか?」
「それは違うにゃ、リングアベル」
「む……その声はミネットか?」
声の方を振り向くと、そこには昨日と同じ姿のミネットが佇んでいた。
逆光を背にしたその表情はよく読み取れない。
「待ってたにゃ、リングアベ――」
「ミネットみーつけた!ふはははははははは!かくれんぼにも拘らず自ら姿を晒すとはこのうっかりさんめ!!」
「って、にゃんでそうにゃるにゃ!?最初からかくれんぼなんかしてにゃいにゃ〜〜!!!」
「え、違ったのか………んん、ごほん!では改めてミネットよ!お前の渾身のサプライズ、しかと見届けたぞ!まさかこれだけの猫を集めるとは、ミネットの人徳……いやねこ徳は凄まじいな!」
「サプライズでもにゃいにゃッ!!話を逸らすんじゃにゃ〜〜〜い!!」
キメ顔でナチュラルに間違っているリングアベルにプンスカ怒って腕を振り回すミネットの姿が実に微笑ましい。
呼び出したのはミネットの方なのだが何故か始終リングアベルペースで話が進んでいるのは、リングアベルとミネットのどっちが悪いのだろう。多分どっちも悪くはないのだろう。世の中にはよく分からないことというものがある。
「ぜはっ……ぜはっ……もう、リングアベルはよくわからにゃい人にゃ。このまま喋ってると……元々の目的を忘れそうになるにゃ」
「元々の目的……昨日は確かお礼がしたいと言っていたな。このねこねこサプライズがそうだったんじゃないのか?」
「そう……ねこねこサプライズも間違ってはないかもにゃ。リングアベルはこれからきっと――死んじゃうくらい驚くにゃ?」
ミネットの表情から感情が消え、背後から恐ろしいまでの殺気が膨れ上がるのを感じる。
突然の豹変に対する警戒と、ダンジョンで感じるような本能的直感が、この間に留まるのは危険だと告げた。考える間も
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