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SAO外伝 血の盟約の下に【試し読み版】
【空拳編】 でーじすっごいよ
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られて、購入を尻込(しりご)みしていた。え、これ危なくないの? だいじょうぶ?

 それに体を実際に動かせるといっても、当然のことながら動くのはバーチャル世界の架空の身体(からだ)で、生身の肉体じゃない。ゲームで遊んでいる間リアルの身体は寝たきりである。身体、(なま)るだろ。

 だが手紙によれば、僕の友人はこの、夢のフルダイブ型ゲーム機、ナーヴギア最新作の開発に(たずさ)わったそうだ。なんてこった。

 タイトルの名を、ソードアート・オンライン。

 略称は、SAO。

 これはバーチャルリアルゲームでは初のMMORPG、つまり大規模オンラインのロールプレイングゲームだ。日本中の、ゆくゆくは世界中のプレイヤーが同時にアクセスし、時に争い、時に協力しながら、広大なフィールドを駆け巡り暴れ回るのだ。

 舞台は、全百層からなる空飛ぶ鉄の城、アインクラッド。

 草原があり、森があり、湖があり、山があり、町があり村がある。

 プレイヤーたちは、各層を上下に(つな)ぐ唯一の通り道である強敵待ち受ける迷宮区を突破し、己の剣を頼りにこの城の頂点を目指す。

 そう、剣だ。

 このゲームに魔法はない。

 代わりにあるのは、多種多様な無数の得物(えもの)と、それを(あつか)うソードスキル。

 どうしてこんな設定にしたかというと、五体を存分に暴れさせてフルダイブ環境を最大限に体感させるためで、このコンセプトを発案したのもやはり茅場晶彦で、ひとつひとつのソードスキルを丁寧(ていねい)にデザインしたのもほとんど茅場晶彦だがしかし、友人は開発スタッフにリアルの格闘技経験を買われて、この一部をデザインさせてもらったそうだ。

 (いわ)く、是非(ぜひ)ともこれをお前に体感して欲しい。

 自分は開発者としてのコネで一か月のβ(ベータ)テストを存分に楽しんだ。だからテストプレイヤーに(おく)られる正式サービスの優先購入権をお前に(ゆず)る。次のロットが出たら一緒に戦おう。

 待ってろ。せいぜい腕を(みが)け。

 手紙にはなんと、ナーヴギア本体と、SAOのソフトの優先購入権プロダクトコードが同封(どうふう)されていた。恐ろしく気前(きまえ)がいい。このゲームの初期ロットはたったの一万本で、手に入れようと思ったら何日も徹夜(てつや)してショップに並ぶか、(すさ)まじい倍率の抽選を突破してテストプレイヤーとならなければならない。ナーヴギア本体は高価だし。

 そしてもう一つ、奇妙なものが同封されていた。B5版の紙が一枚。ほとんど白紙だ。中身が真っ白いスカスカの円形が、用紙いっぱいにそっけなく描かれているだけ。

 いっぱいに描かれた円形にはしかし、|東端
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