暁 〜小説投稿サイト〜
BloodTeaHOUSE
悪夢は闇鍋?
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
なかなか楽しそうだね」

前に見た夢の話をしたことがあったけど、私の夢は変なものばっかりなのだ。
場所がジャングルだったり、砂漠だったりと、まず身近な景色は出てこないし、
その上自分や周りの人間の設定がトンデモなのだ。

「そうでもないよ〜。精神疾患のシリアルキラーだって追いかけられたりすると大変なんだから」
一番最近の変な夢を思い出してしまった。あれも逃げ回って大変な目にあった夢だけど、
悪夢‥‥とはちょっと違うんだよねぇ。

「香澄ちゃんが犯人なのかい?」
「犯人風味、なの。いつも殺人の瞬間は絶対夢に出てこないんだよね」
「それは普通、容疑者って言うんじゃないのかな?」
「この前のは違ったよ。既に逮捕されて刑務所の中だったもん」
「ぷっ 君が刑務所に? そ、想像できな‥っ‥っ」

そんなに笑うほどおかしかったかな?飛白は肩を震わせて笑ってるけど。

「それは悪夢の話かな?」
「それが違うんだよねぇ〜‥‥」

キリーも話に混ざってくるから、その夢の話をする。

私は精神疾患のシリアルキラーで、鉄格子のついた隔離病棟みたいなところにいた。
ただし、殺人の記憶はあやふやで、10人以上殺してるらしいって認識。
見回りをするのは白衣の人数名と、警備の人数名。
研究対象であり、治療対象でもある私なんだけど、狭苦しい病室が嫌で脱走を企てた。

見回りの隙を突いて、施設の屋上から空に逃げ出した。
空を飛べたのなら、それで脱走成功なんだけど、体が浮くだけ。

泳がないと進まないし、休んでると高度が下がるしで、
白衣の人と警備の人が走って追いかけてくるのを、空を泳いで逃げる私。

私が泳ぎ疲れるのを狙いながら追いかけてくるから、あんまり休憩できないけど、
高いところにいるから、向こうも捕まえられないという、
なんともシュールな展開になって、建物の屋上に隠れて休憩したり、
見つかってそこからまた空に逃げたりと、起きた時にはあまりに間抜けな展開と
殺人犯のくせに堂々と空を飛んで逃げる緊張感のない脱走に、自分でちょっと呆れてしまった。

「‥‥‥なかなかに独創的な夢だね」
「あははっ、おもしろいね。味の気になる夢だなぁ」
「普通逃げる夢ってもっと必死になるでしょ?」
「そうだね、ぼくの食べた悪夢に逃げてる夢もあったけど、みんな必死だったよ」
「わたしの夢って逃げる時はそういう緊張感がないの」
「それは確かに‥‥悪夢とはちょっと違うだろうね」
「どっちかっていうと楽しい夢だね!」

「香澄は怖い夢って見ないの?」
「病気の時は見るよ。すごく怖くて、嫌な夢」
「その時はぼくに食べさせてよ」
「‥‥1度食べられた悪夢は、もう見なくなるの?」

もしそうだったら、なんだかちょっと怖い
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ