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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三五話 求道者の迷走
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じもじと遊ばせる。そのように副官から微妙に白い視線が飛んでくるのは当然の帰結であった。
「はいはい。大尉の体が不自由なのをいいことに特例で同棲しておいてその言い訳は苦しいですよ。やることやってるでしょうに。」
「え!?な、なんで知ってるんだっ!?!?」
「分からいでかっ!」
驚愕する唯依に『渇!』っと目を見開いた雨宮の怒声が飛んだ。
「あんなに眉を顰めてばかりだった中尉が妙に笑顔増えたと思ったら時々ぼーっとしてたり、かと思えば急に赤くなって頭を壁に打ち付けそうになったりと挙動不審のオンパレードで分からない鈍感なんて早々いやしませんよ。」
「な……なんだと。」
驚天動地の事実が突き付けられた。まさか、部下にまで知られていたとは、そして雨宮のぶっちゃけられた本音が微妙にショック。
「……穴があったら入りたい。」
「で、何か悩み事があるんですか?……もしかして、夜のほうが上手くいっていないとか。男女間でそういうのあると結構深刻らしいですからねー」
頭を抱えて小さくなる唯依を放って話を勝手に進める雨宮。
「いや!忠亮さんさんは下手なんかじゃ、むしろ……いやだからこそ問題というか、なんというか……」
「意味が分かりません。」
「あの、だな…大尉が上手いってことは……その、ほかの人と“そういう事”があったんじゃないかってな。」
「ああ、そういう事ですか」
恐ろしく、そして凄まじい投げやりを形にしたような口調の相づち。
追い詰められてようよう口にした唯依にすごく軽くてぞんざいな、納得の返事が返ってくる。
「そんなの一人でグチグチしてたって何の解決もしないでしょうに。はいごちそう様です。」
「あ、雨宮なんかずいぶん棘がないか……?」
「そりゃ、何か面白い話題かと思えば結局惚気、そりゃ棘が出るだけ出てハリネズミにでもなりますわ。
中尉は私をサボテンにしたいんですか?柚子の木にしたいんですか?」
「なぜ動物からいきなり植物……というか、普通は知らんだろ柚子の木なんて――――じゃなくて!私は真剣なんだ!!」
なぜか逆切れされる唯依、本人からすれば限りなく死活問題に近い問題だ。
「まぁ、そうですよね……分かりました、ではひと肌脱ぎましょう!」
「あ、雨宮……何をする気なんだ?」
「いや丁度いいのがいるじゃないですか、大尉と昔から馴染みで聞くのに丁度いいのが。」
「????」
雨宮の言葉に本気で首をかしげる唯依だった。そして、当の本人の視線の先には機体の調整を丁度終えるところであった赤を纏う斯衛の新兵がいた。
数十分後―――――
無機質なむき出しのコンクリの壁に、机一つ。そして顔を照らしつけるライトの光が目に痛い。
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