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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
第15話 前編
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る為だけにあんな事まで仕出かす女だ。考え過ぎて損をするという事はあるまい。それと奴を止めた理由は原作のように学生組の面々の関係を昼ドラみたいなドロドロした雰囲気にしない為にやったんだ。ここで事の顛末を話して原作と似た、いやそれ以上の関係の悪化に繋がる事はしたくない。
 
「確かに知っているが、それはあいつのプライバシーに関わる。オレからは話す事はできない」
「話せないって………、じゃあどうやってキラの悩みを解決すればいいんですか!」
「いや、あいつの事はオレに任せておいてもらいたい」
「えっ…」
「事情を知っている者が相談に乗った方がいいだろう。それにあいつの事はブリッジの方からも頼まれててな。まあお前達は大船に乗ったつもりでいてくれればいい」
「で、でも…」

 二人の顔を見ると、何だかとても不安そうな表情になっていた。まあ、キラとの付き合いが短いオレに任せて大丈夫なのかというところか。

「大丈夫じゃないか? 坊主、悠凪とは結構話はするし、事情はよく知らないが坊主がお前らに話せないとなるとよっぽどの事なんだろうよ。だからここはこいつの言う通り事情を知ってる奴の方が適任だと思うが、どうだ?」

 ムウはオレ達の会話に割って入りオレのフォローにまわってくれた。ムウの言葉を聞いて二人はどうするかを協議する為こちらに断りをいれてから少し離れた場所でこちらに聞こえない位の声で話し始めた。それなりに時間がかかそうだったので、その間食べかけだった夕食を食べていた。
 少しした後どうやら答えを出したようで二人はまたこちらへやってきてトールの方が代表して口を開いた。

「あの…、キラの事よろしくお願いします」
「ああ、わかった。安心しろ、ちゃんとキラの事はどうにかしとく」

 その後、二人はどうやらブリッジの当直の交代に向かう途中だったらしく慌てた様子で食堂を跡にした。
 残ったオレとムウはまた食事を再開させた。そんな中ムウが余程気になったのかキラの件に関して聞いてくる。

「しかし、お前ブリッジの時もはぐらかしてたけど、坊主の学友のあいつらにも話せないような内容なのか?」
「いや、あいつらに言ったようにプライバシーの事が理由の一つでもあるが……、これを話すとまた今とは別の厄介な事を引き起こすだろうと予想したからだ」
「厄介な事?」
「ああ。まあ、話さない事で結局問題が起きるのなら本人の許可をとって話すつもりではいるがな」
「そうか。まあそういう事なら俺ができる事は何もないしお前の判断に任せるがな」
「そうしてくれ。じゃあ、ごちそうさん」

 夕食を全て食べ終えたオレは立ち上がり、トレーを片付けた後食堂をでようとする。

「おう。修理もキラの事も頑張れよ」

 後ろから聞こえてくるムウの激励の言葉に手を振る
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