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機動戦士ガンダムSEED編
第15話 前編
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オレは命令違反は冒していなかったので特に言われる事はなかったが向けられた視線がかなり痛かった事は言うまでもないだろう。その上あいつの事に関してオレだけでどうにかしろと言われるし……まあ、言われなくても相談には乗ってたけどな。

「……よく何の罰則もくらわずに済んだなって思うよ」
「だよなぁ。まあ中尉も意外と優しい面があるからかな」
「ん、そうか?」
「いや、俺も最初はそんな事は思ってなかったんだけどな。数日前に避難民の子供が泣いていたのを中尉があやしていたのを偶然見つけてな」
「へぇ。ホントに意外だな」
「ああ。ぎこちない様子だったけどいつもの厳しい感じとは違った印象を受けたな」

 ああ、そういえば原作に似た感じの場面ってあったか。バルトフェルド隊がこの辺りのレジスタンスの住居がある町を焼き払った後位に。忘れていたってのもあるがナタルは基本的に模範的な軍人気質だからそういう面があるなんてのは想像もつかない。人っていうのは他人にはあまり見せない一面があるんだなって改めて実感したよ。
 そう考えていると食堂の扉の辺りから足音が聞こえてくる。振り向くとそこにはミリアリアとトールの姿があった。

「あっ、フラガ少佐、悠凪さん」

 二人はオレ達の存在に気付くと早足でこちらがいる方までやってくる。二人の様子を観察すると何やら真剣な面もちでおり、どうやら何か聞きたい事があると見え、それも余程の事らしい。特にオレを見ていた様だったので恐らくはあいつの事だなと予測がついた。
 二人はオレの元へ来るとトールがまず最初にこう切り出してきた。

「あの、すいません悠凪さん。聞きたい事があるんですけどいいですか?」
「何だ」
「キラの事です。あいつ、地球に降りてきてからずっと部屋に籠もったままなんです。この艦に残ってるのも驚きましたけど、あいつ見るからにとても落ち込んでて……、一体キラに何があったんですか?」
「何故オレに聞く。直接本人に聞けばいいだろうに」
「そう思って一回聞いてみたんですけど、キラ、とても辛そうな表情になったまま黙り込んで何も言ってくれなかったんです。……それで、キラが戦闘前に最後に会ったのが悠凪さんだって聞いて何か知ってるかもって思ったんです」

 ……戦闘後、色々忙しくて会えてなかったがまだフレイの事を引きずっていたか。まあ、そう簡単に割り切れる奴ならアスランとの事で悩んだりなどしないんだろうがな。
 それにしても、あの事を二人に話すべきか否か。これを話したら学生組とフレイの亀裂は決定的なものとなるな。奴の婚約者であるサイもこの事が耳に入ればさすがにフレイとの縁は切るだろう。しかし、そうなれば奴はこちらを逆恨みしてとてつもない事を仕出かす可能性がある。幾ら何でも考え過ぎな気もするが、キラを自身の思うがままにす
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