プロローグ
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攻撃に際し、日本政府は独断で撃破された深海棲艦の残骸を回収することにも成功していた。
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日本政府は回収された深海棲艦の残骸を解析。そこから得た解析結果を元に、人類は前大戦で使用された兵装の一部を特殊な培養液に浸し、そこに無機物に棲息する細胞を投下。
そこから培養を繰り返すことで、対深海棲艦用の人工生命体を生み出した。
何故かそれは、人間の女性の姿をしていたが深海棲艦の情報を元にしたためだと結論付けられた。深海棲艦の人型の個体がなぜ女性の姿をしている理由も不明だったが、ともかく人類は打開策の初期段階に入ることができた
そうして産まれた人工生命体は、体組織や思考回路も人間の女性、特に思春期の少女に酷似していた。
初期に産まれた数体の人工生命体に対して、人類は一定の良識と軍事知識を教育することを決定。しかし、戦艦を元に生まれた人工生命体は本能レベルで戦闘行動を行うことができることが判明したため
教育方針を変更。これは開発側に人工生命体をあくまで一人の人間の少女と見る者が多かったことが起因していた。
この方針転換を日本政府も承認した。それは先の核攻撃の後、深海棲艦側の行動が沈静化していたからだった。人類に僅かながらの猶予が生まれたのだった。
人工生命体の教育が完了しつつあった頃、人工生命体用の兵装が完成する。彼女たちの元になった戦艦の兵装に酷似した兵装を身に着けた人工生命体は、即時戦闘に参加した。
時に深海棲艦に制海権を奪われて5年もの時間(1964年)が経過しており、満を持した着任となった。
初戦は小規模戦闘ではあったが、人工生命体は深海棲艦を多数撃破、ないし轟沈させることに成功。それは核攻撃以降、人類側初の快挙となった。
その後人工生命体開発の情報は世界の主要国に伝わり、それを元に各国は自国にて新造艦を建造、それらの人工生命体たちは苦戦することがなかったわけではないが目ざましい戦果を挙げていった。
命令に従順、かつ臨機応変に対応、獅子奮迅の活躍を見せる彼女たちはその愛くるしい容姿も手伝って「艦娘」と呼ばれるようになった。
艦娘着任から10年の月日が流れた1974年。人類は深海棲艦側に奪われた陸地の奪還し、分断されていた海路を開いた。それは一重に艦娘たちの活躍に寄るところが大きかった。
艦娘は一兵器の枠を超え、崇められるようにもなった。
それは戦艦の一部から産まれたという未知の出自に対する、多くの人間側の無知を露呈する結果でもあった。
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それから更に10年が経過した1984年9月。日本の領海・伊豆諸島の南端、大黒島において島の火山が突如、噴火する。
無人の島ではあったが、休火山
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