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ソードアート・オンライン -Need For Bullet-
-Bullet4-黒い影
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アは放っていおいて‥‥たらこさんを探す。
 彼はすぐに見つかった。 ひときわ大きなグループの中心に居たからだ。
「たらこさん。」
「おう。姉御さん。」
「た、たらこさんまでその呼び方っ?! ま、まあいいや。あの、今日の総評みたいの貰えたらなって。」
「俺? 俺みたいのが言ってもいいのか?」
「はい。たらこさんから見たみんなの動きを知りたいんです!」
 周りからの視線もボクと同意権のようだった。
「そう言うことなら。わかった。」
「ありがとうございます!」

 たらこさんをビールケースで作った特設のステージへ案内する。
 
「あーどうも。 えー総評? 総評と言ってもまあざっとした感じですが……」
 壇上に上がったたらこさんは各隊と、そして個人の動き、戦術へ意見を述べていった。 戦闘の中で味方の動きをほぼ全て見ている。 これが彼の強さの秘訣なのだろうか。

「まあというわけで! みんな力は十分にある! BoB優勝は誰が勝ち取っても不思議じゃない!だから…おいお前なんの冗談だ? 」
 人混みが割れる。そこには黒いギリースーツの人物が立っていた。
「誰……? うちにあんなのいたっけ‥‥全くバカばっかりなんだから‥‥」
 どこのバカか知らないけど流石に失礼だろう‥‥ここはリーダーらしくぶん殴ってあげなくては。
「ねぇ君。何やって」

 パンッ! と乾いた銃声が静まり返った酒場に響く。たらこさんの左胸に赤い着弾エフェクトが弾けるが、ここは街中の酒場。つまり『圏内』で、ノックバックこそ受けるもののダメージを与える事なんてできない。一切無意味な行動のはずだった。
 普通ならば何事も起こらない馬鹿げた挑発行為

「おいお前いい加減にっ‥‥がっ……あっ‥‥」
 しかし普通じゃなかった。たらこ氏が苦しみだす。胸を抑えまるで本当に『死にそう』な様子で膝をつく。ありえない。たとえバグでダメージが入ったとしてもそれはゲーム上の『アバター』のHPバーが減るのであって現実の人体に影響を与える事はありえないのだ。 誰もが動けなかった。そして、彼は床に倒れると同時に消えた。
Line disconnect(回線切断)
 その表示が彼の居たところに一瞬瞬いて、そして消える。
「うそ……そんな‥‥馬鹿なことって……」

 黒い人物はまだ硝煙が揺れる黒い銃口を高々とかざし叫んだ。

「…これが本当の力、本当の強さだ! 愚か者どもよ、この名を恐怖とともに刻め!」


「俺とこの銃の名は『死銃』……『デス・ガン』だ!!」
死銃(デス・ガン)』と名乗ったそいつは左手でメニューを操作しながら小さく、しかしはっきりとこう言った。

「次はお前を殺す……」

 思わずぬいた銃口の先にすでにそいつはいなかった。
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