圏内事件 ー事件ー
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てるって知ってるんだ?」
アスナとキリトと共に三人で行動していた為、例の槍を誰が持っているかなど特定はできないはず、なのだが現にシュミットは開口一番、俺が持っていることを当ててきた。
すでに、他二人を当たっているのなら話は別なのだが……
(てか、なんで俺らのホームが知られてるんだ)
頻繁に来客が来ても面倒だ、という理由でこの家の場所は極一部、親しい人物にしか教えていない。もちろん、シュミット含め聖竜連合の連中とはボス戦くらいの付き合いぐらいしかないので教えているわけがない。
ということは、どこからか情報が漏れたわけだが、情報屋の『鼠のアルゴ』には口止料を払っている為に先ずない。人のプライベートをペラペラ喋る馬鹿はどいつだと内心憤慨していると、シュミットが口を開く。
「あぁ。それなら、キリトの奴がお前が持っている事と居場所を教えてくれたぞ」
どうやら、馬鹿はキリトだったらしい。
「……あいつ」
「昼寝を邪魔されたばかりか人のプライベートまでペラペラと!」
後で絶対にしばくと心に決める。
復讐方法を頭の片隅で考えつつ、アイテムストレージを探っていると今しがた放り込んだばかりの例の槍を見つけた。
「……ついでに、鑑定の手間を省いてやるよ。名称は《ギルティソーン》、製作者は『グリムロック』だ」
「っ!?」
そう口にした瞬間、シュミットに明確な反応があった。
震える手で槍を受け取ると、掠れた声で礼を言うと足早に帰って行ってしまう。
「……はぁ、帰ったか」
先の団体が索敵範囲外まで離れたのを確認し、ため息とともに肩の力を抜く。ああいった緊迫した雰囲気は精神的な面で結構負担が来るので苦手だ。
重要証拠である槍は持って行かれてしまい、アスナからお小言をもらいそうだが、もうアレから得られる情報はほぼないので大した痛手ではない。だが、それよりも一つヒントらしきものを得られた成果は嬉しい。
「シュミット、絶対何か隠してるね」
「……あぁ」
被害者であるカインズ氏と槍の製作者グリムロック、そして彼の名前を出した時明らかに動揺を見せたシュミット。少しずつだが、人物関係が見えてきた。
捜査初日にしては、なかなかの成果ではないか?と少し嬉しくなってしまう。だけど、今日はもう限界がきたらしく目を開いているのも億劫になってきた。
「んーー、おやすみ……」
フラフラとしながら寝室へと向かい、ベッドに横になるや意識を手放した。
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