圏内事件 ー事件ー
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めた。
「……悪趣味」
「は?」
思っても見ない、と言うか完全に的外れな感想に声が引き攣る。
「だってさ、普通槍っていう武器は突きとか薙ぎ払いが主な攻撃手段なんだけどそこにこんな物付けたら、邪魔でしょ。まぁ、ぶっ刺して引き抜く時に追加ダメは出るんだけ微々たるものだし?それに摩擦力云々のせいで次のモーションが遅くなるから、私として歓迎しないかなー。それに、モンスターだと恐怖心とかないからこういうのって効果ないんだよねー」
「まぁ、そう考えるよなー」
腕を組みつつ、今朝キリアスコンビとともに調べた事を含め整理していく。
彼女の言う通り、対Mob戦において貫通継続ダメージはほとんど意味をなさない。
そもそも、貫通継続ダメージは武器が身体に突き刺さっている状態で発生するものであり、与えられるダメージも極々微量だし、モンスターだとすぐに引き抜かれポイっだ。
武器に返しをつければ、抜き辛くなるがデメリットとして武器の性能が落ちたり、扱うのに必要な筋力値が増えたりといい事はない。
だからこそ、メインアームを逆棘が生えたような特殊仕様なものにする輩は相当な下手物好きか、何か拘りがある奴くらいだ。
「……はぁ、明日からの捜査に期待か」
シィからも事件のヒントになりそうな案も得られず、落胆のため息を吐く。
そして、重要証拠に万が一の事態がないためにストレージにしまおうと手を伸ばした時、屋外に多数のプレイヤーの反応が《索敵》に引っかかる。
「こんな夜中にお客さん……?」
「さぁ?けど、こんな大人数で訪問なんてタダ事じゃないだろ……」
人数にして、五、六人。ちょうど1パーティー分の人数が玄関扉を囲むようにして、位置取っていた。それから間もなくして、コンコンとノック音が聞こえてくる。
警戒心を強めながら、扉を開けると、銀色に青の刺繍がされた顔以外を鎧で覆ったプレイヤーがすぐ目の前に立っていた為に思わずギョッとする。
「夜分遅くにすまないな」
「……シュミット」
シュミットと呼ばれた青年は恭しく一礼をし、非礼を詫びた。一応、良識はあるようだ。
「で、聖竜連合の人がどうしたんですか……」
「単刀直入に言おう。圏内PKに使われた武器をこちらに渡してもらいたい」
「はぁ〜〜?」
戸口に立たせたまま要件を問へば、武器をタダで寄越せと言われ、思わず声が裏返る。明らかな非マナー行為に怒りの感情が露見しそうになるが、ここで言い返せば面倒事ーー渡すまで居座られそうーーになりそうなので、グッと堪え、片手を振り、アイテムストレージを開く。
先ほど収納したばかりの黒い槍を取り出す……のだが、ふと疑問がよぎり、操作の手が止まる。
「そういえば……、なんで俺が持っ
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