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ソードアート・オンライン 神速の人狼
圏内事件 ー事件ー
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け、一閃ーー

「よしっ!…………なっ!?」

「ーーーー……??」

 刀がロープを切断し喜びを覚えたのも束の間。男を首吊りかは解放した刹那、大きく目を見開き、宙を凝視した男は掠れた声を発する。

「嘘、だろ……??」

 ガラスが砕けるような破砕音とともに男の仮想体(アバター)が青い閃光とともに消滅した。


「……くそっ!」

 なんとか無事に着地すると、言い表せない感情をぶつけるが如く壁に拳を叩きつける。

 救えなかった……

 後悔の念が渦巻き、脱力する。体に力が入らずに、教会の壁へと(もた)れかかる。
 野次馬達の悲鳴に混じって、アスナやキリトの指示する声が聞こえるがどうも体が動く気がしない。

 気だるさを感じる体に鞭打って、周りで慌ただしく聞き込みや調査を行っていたキリト達の下へと合流する。結果を聞いてみたが、案の定、首は横に振られる。

「隠れてる奴は疎か、ウィナー表示まで出ないなんて……」

 ありえない、とアスナが呟く。

 本来、"圏内"においてプレイヤーは一部の例外を除き、ダメージを受ける事は絶対にない。
 そして、その唯一の例外が『決闘(デュエル)』だ。
 初撃決着、HP半損で決着、HPの全損と3つの種類があるがどれも必ずデュエルの終了後には、プレイヤーの名前、試合時間が書かれたウィナー表示と呼ばれる窓が出現する。

 いずれにせよ、上記の二つーー『圏内でのダメージ無効』と『ウィナー表示』ーー、はSAOでの絶対的なルールと言っても過言ではない。
 だが、その二つが破られたとしたら、

「システムの隙を突いた新たな『圏内PK』の可能性、か……」

「その可能性が高いでしょうね。いづれにせよ、このまま放置にはできないわね。早く仕組みを突き止めて対抗手段なりを公表しないと大変な事になるわ」

「あぁ、今回ばかりは無条件で同意するよ」

 ボス攻略会議など、いつもは対立している事が多いキリトとアスナだが事態が深刻なため、珍しく意見が一致する。
 そして、アスナはこちらへと視線を向け、一言

「もちろん、ユーリ君にも協力してもらいますからね」
「……げっ」

 またしてもこの二人と行動する羽目になり、内心面倒だと思ったことが看破されたのかピシャリと言い放つアスナ

「言っとくけど、お昼寝の時間はありませんからね!」

「……はい」

 流石に「寝てたのはどっちだよ……」などと火に油を注ぐような真似はしない。むしろ、できない。

 こうして、探偵トリオが結成されたのだった。


 ◆◇◆



 第一発見者への事情聴取やら、凶器である短槍の解析などを終え、第22層の町、コラルの村外れにある我が家についたのは既に
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