3日目
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たらお前も今日は上がっていいからな?」
「はい!任せておいて!」
なんだかんだ夕張はこうして鎮守府にいる間が一番笑顔が多い気がする。
この子達がもっと笑顔でいられる環境を作るためにももっと頑張らなくては。
夜、本日分の書類が終わり一息ついたころ。
外がなにやら騒がしくなっていたので見に行くと。
「やーせーんー!」
「姉さん……だから今日はもう出撃は……」
「なんで!?こんなに良い月夜なのにー」
外で川内が騒いでいた。
なにやってんだこいつ。
「あ!提督!ね?ね?夜戦しよーよー!っていうかさせてよー」
困ったものだ。
川内が夜戦好きなのはわかってはいたが、いかんせんこれは「病的」ではないか?
頭の隅に何かが引っかかる。
「あー川内?あまり迂闊にそういうことを言わないように。こんな時間から出撃なんぞしたら体力がもたんだろう?」
そう言うと川内は胸を張って。
「昼寝ればいいじゃん!」
と、答えた。
呆れるばかりである。
夜戦ジャンキーか、とんでもない中毒だな。
「申し訳ありません……申し訳ありません」
昼間と同じく謝りっぱなしの神通。
可愛そうに。
「いや、神通?お前は別に悪くないから」
「そーだよー夜戦しないのがおかしいんジャン!」
「お前は黙ってろ」
ちらり、と神通の方を見ると手に鉢巻を持っていた。
それを頭に巻いた瞬間、その気配が変わった。
明らかに川内が慌てている。
「姉さん……これ以上騒ぐならば……」
「神通……?ちょっと?わ、わかったから落ち着いて……」
神通の目が据わっている。
ああ、この子は怒らせてはいけないタイプの子だな。
「落ち着くのは姉さんの方です……提督にまでご迷惑を……」
「あ、あはは……じゃ、私ッ……ゥゲッ!」
その瞬間放たれた右ストレートは目で追うことが困難であった。
見た目によらずこの子相当強いんじゃ……?
「不肖の姉が失礼を……」
「あ、ああ。川内は大丈夫なのか?」
「気を失っているだけです。……いつものことなのでお気になさらずに」
いつものことなのか。
しかし動きに無駄が無いな、本当に強いぞこの子。
「では……提督、お騒がせしました……失礼します」
そうして神通は川内を抱えて宿舎へ戻っていった。
今日の日誌に絶対に書くことが1つ出来た。
神通を怒らせるべからず。
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