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ある提督の回顧録
3日目
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うし、長い演説は好きになれないからな。

「気を付け!礼!」

 タイミングよく大淀が号令をかけてくれた。
もう大淀が秘書艦でいい気がする。
 朝礼が終わったので続々と執務室を出てゆく艦娘達。

「夕張、ちょっと」

 その中に混じって出て行こうとする夕張を引き止める。

「あー……ハイ……」

 後ろめたそうな顔をするんじゃない。

「まあ、わかってるとは思うが秘書艦としての自覚を持とうな?大淀が全部やってくれたからいいものの、これじゃあ今後示しがつかん」

「うう……気をつけます」

「あのー……ちょっといいでしょうか?」

 傍からひょっこりと顔を出したのは明石だ。
こちらもなんだか申し訳なさそうな顔をしている。

「夕張さんをあんまり責めないであげてください。そもそも私がドッグの拡張を申し出てしまったのが悪いので……」

「ドッグの拡張?……2人でそんなことしてたのか」

「はい、あらかた終わってるんですがまだもう少し拡張できそうなんですよね……」

 あらかた終わってる?おいおい、うちの妖精さんは化け物か。

「なんであれ報告をするようにな?今回はまあ、仕方ないが」

 明石はキョトンとしてこちらを見上げた。
首をかしげる仕草にすこしドキッとさせられる。

「……怒らないのですか?」

「怒ることじゃない、今後気をつけてくれれば良い」

「あの、提督……」

 おずおずと夕張はこちらの顔を伺っている。
そんなに私の顔は怖いのだろうか。

「夕張も連絡は密に、な?」

「は、ハイ!」

 ついでに今日の分の建造、開発を伝えておくか。

「明石、今日の建造は最低値を建造ドッグ分だけ、装備開発も同様で最低値を10回くらい。
頼むな?」

「わかりました。そのようにします」

「よし!もう行って良いぞ。出撃には遅れないように」

「はい!失礼しました!」

 部屋から出て行く2人。
心なしかホッとしていたようだ。

「あれでよろしいのですか?」

 後ろで見ていた大淀が聞いてくる。
佐官でもある彼女から見れば「甘い」対応だろうが……。

「良いんだよ、あれで。ここは軍隊だが、彼女たちにそれを強いることを私は望んでいない」

「……わかりました」

 不承不承(ふしょうぶしょう)、といった感じで答える大淀。
納得はしてくれないらしい。
 










 朝食が終わり、一時間ほど。
時刻はマルキューゴーゴーとなった。艦娘達は装備を身につけ出撃体制に入っている。

 一昨日の出撃を経験した3人は落ち着きが見られるが、その他の2人には緊張が見て取れる。
まあ、慣れろというのも酷
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