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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第151話 王允劉表弾劾
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なたに任せる。劉荊州牧の詮議は慎重を期すように、詮議の場には朕も同席させてもらうぞ」
「当然でございます。劉車騎将軍は劉荊州牧の潔白を信じていると申しておりました。蔡徳珪以下不埒者どもは朝敵として討つべきにございます」
「劉車騎将軍が賊を討伐すると申しておるのか?」

 劉弁は動揺しつつも神妙な顔で王允に聞いた。

「劉車騎将軍は皇帝陛下の権威を汚す不埒な賊を討伐するために勅をいただきたいと申しているとのこと。また、蔡徳珪討伐のための軍を冀州から荊州に派遣することの許可と、その軍が各州を通過するための許可もお許しいただきたいと申しております」

 王允は恭しく劉弁に答えた。

「蔡徳珪は大軍を派遣せねば討伐できぬほどの者なのか?」
「恐れながら蔡徳珪の出身である蔡一族は荊州一の大豪族。蔡一族が抱える私兵は数千とも数万とも聞き及んでおります。荊州に潜んでおられる劉車騎将軍は蔡一族の襲撃を警戒するも朝臣として皇帝陛下のご裁可を待ち行動に移す所存とのこと。劉車騎将軍の皇帝陛下への忠誠に疑いはございません。自らが死地にあるにも関わらず、皇帝陛下のご載荷をいただきたいと申しているのです。ここで、忠臣をおめおめと蔡徳珪に殺されては朝廷の権威は失墜してしまいますぞ」

 王允は正宗が劉弁と朝廷を敬う忠臣の如く熱く語った。彼も人の子。王允の物言いを無視することはできなかった。彼は王允の話に賛意を示そうと口を開こうとするとが、それを遮る者が現れた。

「皇帝陛下、蔡徳珪討伐の任は呂羽林中郎将にご命じくだされば速やかに蔡徳珪を討伐してごらんに見せます」

 賈?は王允より前に進み出て劉弁に献策した。彼女の表情は必死だった。正宗が荊州に大軍を引き入れれば、その軍勢を率いて上洛することは十分に考えられたからだろう。そうなれば彼女の立てた計画が大幅に狂うことになる。

「賈尚書令、混乱に乗じて劉車騎将軍を殺す気ではあるまいな?」
「私が何故に劉車騎将軍を殺さなければならないのです。朝敵を討伐するは朝臣の勤めではありませんか?」

 王允は賈?を睨みつけた。賈?は王允に怒鳴りそうになるのを押さえ拳を握り締めながら言った。

「賈尚書令、そなたは劉車騎将軍の妻である袁本初殿を襲撃し、此度は周太守を連行せんと企てたではないか?」
「袁本初殿の件は職務と全うしただけのこと。周太守の件は董少府がお会いしたいと言われたので出迎えに参っただけのことです。謂れ無き中傷はお止めください」
「出迎えとな」

 王允は賈?を小馬鹿にするように口角を上げた。

「話をする相手を出迎える時、そなたは兵達を引き連れてやってくるのか? 随分と物々しい出迎えであるな」

 王允の発言に他の百官も同調しているのか賈?に厳しい視線を向けた。

「蔡徳珪
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