第151話 王允劉表弾劾
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た。その周太守の身柄を渡すように申したのは他ならぬ賈尚書令にございます。私が来ていないと返答したら家捜しをすると申したのです。今、現在も私の屋敷を私兵で囲ませております」
王允は敢えて確信部分を口にしなかったが、劉弁以下他の百官の視線が賈?に向いた。彼女の発言で賈?が正宗襲撃に関わっている可能性があると暗示させたのだ。
「賈尚書令、そなたは董少府の命で王司徒の屋敷を家捜ししようとしたと申したな?」
「はい。その通りでございます」
賈?は苦々しい表情を浮かべるも素直に答えた。
「家捜しの理由は周太守の拘束が目的ではないのか?」
劉弁の表情は険しかった。劉弁は明らかに賈?を疑っていた。
「董少府が周太守にお会いしたいと申していたのでついでで王司徒に申したまでです」
賈?は平静を装い劉弁に答えた。だが、賈?への疑念は晴れている様子はなかった。冥琳に会いたいだけにも関わらず、居ないと返答されると家探しを行うなど常識的に考えて無理がありすぎる。賈?は自らの矛盾に気づいている様子だったが発言を撤回しようとはしなかった。
「皇帝陛下、劉車騎将軍が命を狙われるとは一大事にございます。劉荊州牧を召還なさり詮議すべきではないでしょうか?」
王允は劉弁に献策したが憂いた様子で考えこんでいた。
「皇帝陛下、まずは劉荊州牧に使者をお立てになりことの真偽を確かめてからでも遅くないかと」
賈?は進み出て劉弁に献策した。
「ことの真偽は判明している。劉車騎将軍は命を二度も狙われたのだぞ! 命を狙った者の中には蔡徳珪の実妹もいたのだ。どう申し開きをしたところで劉荊州牧に責がないと言えるわけがなかろう」
王允は劉弁に献策する賈?に厳しく言った。賈?は王允の話を聞き表情が固くなった。賈?は劉荊州牧の元に使者を送ることで時間稼ぎをして自分達への風当たりの悪さを収束させるために動きつつ、正宗を荊州に縛りつける魂胆なのかもしれない。
「それはまことなのか?」
劉弁は瞳を虚ろにし王允にたずねた。彼の表情は完全に落胆している様子だ。劉表は朝廷内でも清流派の士人として風評は高いものだった。彼も朝廷の重臣である劉表には何度となくあったことがあるのだろう。だからこそ裏切られた気分なのかもしれない。劉表の通婚関係にある蔡一族が積極的に正宗の襲撃に関わっている。劉表を疑うには十分な材料と言えた。
朝廷の重臣が卑劣な方法で同じく朝廷の重臣である正宗を殺そうとした。もし、これが事実であれば朝廷の権威を失墜させるには十分だった。
「皇帝陛下、ことがことでございます。使者を出して返事を待っていては対応を見誤るやもしてません。ここは皇帝陛下御自ら詮議されることで真偽を見定めるべきかと思います」
「王司徒、そ
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