第151話 王允劉表弾劾
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られた。
賈?は王允の視線に動ずることなく前へ進み出て劉弁に対して拱手し頭を下げた。
「皇帝陛下、司隷校尉を兼ねる董少府のご下命であるため話すことはできません」
賈?は冷静な態度で淡々と答えた。彼女の返答を聞いた百官はこそこそと話をはじめた。声は聞こえないが彼女にとって友好的な内容ではないことは彼らの視線から読み取れた。
「司隷校尉は司隷州を統治するだけでなく、官吏の不正を暴く立場でもある。王司徒の屋敷を家捜しするほどであれば、余程の確証があったのではないのか? ならば、この場で申してみよ。朕が許す」
「皇帝陛下、この王子師。誓って人に後ろ指を指されるような真似はしておりません。この私に不正の嫌疑があるのであれば、この場で喜んで詮議を受けさせていただきます」
「王司徒もこう申しておる。賈尚書令、申してみよ」
劉弁は賈?に言った。彼は賈?に悪意を抱いているのではなく、ことの真偽を確かめたいと思っているように見えた。
「董少府の密命にございますれば、皇帝陛下以外に話すことは憚られます」
賈?は劉弁の言葉に窮し二の句を継げずにいたが、このままではまずいと思ったか口を開く。その言葉に王允は賈?を嘲笑するかのごとく皮肉気な笑みを浮かべていた。
「董少府の密命。であれば仕方ない。皇帝陛下、この王允は董少府の詮議の行方を待つ所存です」
「それでそなたは納得できるのか?」
劉弁は王允が素直に引き下がったことを訝しんでいた。劉弁は王允がまた賈?に噛み付くと予想したいたのかもしれない。
「私は董少府が何故に私の屋敷を家捜ししようとしたか心当たりがございます」
王允は劉弁に対して拱手した後、頭を上げ神妙な表情で言った。
「賈尚書令が来る十二刻(三時間)程前に周渤海郡太守が私の屋敷を訪ねてきました」
賈?の表情が変わった。彼女は王允を睨むような視線を向けた。
「周渤海郡太守?」
「皇帝陛下、劉車騎将軍の妻にございます」
「劉車騎将軍の妻は確か袁本初ではなかったか?」
「皇帝陛下、劉車騎将軍には三人の妻がおります」
「そうか。それで周太守がお前に何のようがあったのか?」
王允は悩む素振りを見せ劉弁を見た。
「申してみよ」
王允は劉弁に話すことを逡巡する素振りを見せるも意を決して劉弁を見た。彼女の素振りは演技だあることは想像できたが劉弁はそれに気づいていない。対して賈?は顔を緊張させ王允をただ凝視していた。
「周太守から信じたくない話を聞かされました。私ははじめ聞いた時、私の耳を疑い何度も聞き直しました」
王允はそこで話を中断すると手を叩いた。すると荀爽は布袋を持って王允の元に進み出てきた。彼女の後には彼女の部下が桶を二人がかりで慎重に運ぶこん
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