第十七話 戦機、近づく
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抵のものではあるまい……。
耐えるという事を知っている男……。その経歴の華やかさからは想像もつかないがエーリッヒ・フォン・ブラウンシュバイクの本質は才気よりも粘り強さ、我慢強さなのかもしれない。そして事においての果断さ。敵に回せば極めて厄介な相手だろう。
「索敵部隊より連絡です! 反乱軍に動きあり!」
オペレータが声を上げる! 反乱軍が動いた。皆が顔を見合わせ、艦橋が緊張感に包まれた。そして次の報告を待つ。期待に胸が高鳴った、音が皆に聞こえるのではないかと心配になったほどだ。
「反乱軍の兵力、約三万五千、残りは不明。艦隊は接近しつつあり」
反乱軍は艦隊を分散した! 主力はこちらに近づいている。
「ようやく動きましたな」
シュトライト准将が低く呟いた。獲物が動いた、隙を見せたのか……。皆が公に視線を向けると公が微かに頷いた。
「参謀長、艦隊を後退させてください」
「はっ」
「副司令官、それと分艦隊司令官をフォルセティに集めてください、作戦会議を開きます」
「はっ」
静かな声だった。公の声には興奮も喜びもなかった、表情にもそれは見えない。先程までと同じ静かな雰囲気を醸し出している。そうだ、まだ狩りは終わっていない、始まったばかりだ、湖はまだ静けさを保っていた……。
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