十一話:双子と日常
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ッとして撫で下ろすディードさんの巨乳を見るんだ。
「準備万端! お願いします!」
「はいよ!」
いかん。考えているうちに始まってしまった。
すぐに廃バスにアフレコを付けなければ。
「よく来た、勇者ミカヤよ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを……もし、わしの味方になれば世界の半分をお前にやろう。どうじゃ? わしの味方にならないか?」
「半分? なら残りの半分は力尽くで奪うしかなさそうだね」
「勇者が魔王より魔王らしい件について」
「それに個人的には世界よりお金の方が欲しいかな」
「金なら俺の方が欲しいわ、ボケェッ! 死ねェェエエエッ!!」
「どれだけお金に困っているんだい、君は」
俺の魂の雄叫びに対して呆れたような声を出しながら向かって来る廃バスに対して抜刀するミカヤ。
高速で自身を押しつぶさんと突進してくる鉄塊をまずは―――一閃。
そして縦に割れて真っ二つに分かれる前に軽く刀を振りさらに一閃。
一瞬の静寂の後に芸術的なまでに美しい仕草で刀を鞘に納める。
「天瞳流抜刀居合―――天月・霞」
その瞬間、止まっていた時が動き始めたかのように廃バスは四つに分かれて崩れ落ち始める。
地面に落ちて起きる轟音がまるでミカヤに対する喝采のように廃棄場に響き渡る。
まあ、実際におじさん達の喝采とオットーとディードさんの歓声はあるんだけどな。
二人は手を握り合わして見ているのだがその姿が何とも可愛らしい。
特にディードさんのおっぱいに目が行ってしまう。
「それにしても凄まじい……魔力もほとんど使わずにこんな事が可能なんですね」
「ふ、これは私の力のほんの一部を開放したに過ぎない。全力を出せばそこにいるリヒターごとね」
「なんでお前の後ろに居る俺が斬られるんだよ。故意に狙わないと無理だろ、それ」
「意中の相手に気が向くのは仕方ないと思わないかい?」
「故意だけにか。って何を言わせてくれるんだ!」
おじさん達の失笑が地味に胸に響く。
オットーとディードさんは、なんか俺達の関係を邪推し始めているけどな。
今後、俺にとってシャレにならない事態になりそうな気もするが俺とあいつは悪友だということは後で気づいてくれるだろうから何も言わないでおく。
まあ、今はそれよりも気になることがある。
何というか、ミカヤには―――
「敗北フラグが立った気がする」
外れてくれたらいいんだがな。
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