第5話 : 刻星病・後編
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人が余りにも雪崩れ込んで来て、投票様の特殊スペースにも人がギチギチだったから。測定不能だ。
何だが真夏の市民プールの地獄絵図のようで、あれには苦笑いしか出なかったよ。
とにかく引き分けと言う判定だ。
……しかし、負けたと俺達は思っている。
あの時に雪崩れ込んで来た大半の人間は、星井 美希が目的で来た人間だったのだから。
そら、会場に入ってから違うとは思うが……現代のスーパーアイドルの影響力を見せ付けられたのだ。
アイドルとしては負けを認めるしかない。
……でも。
「何かさ……上手く言えないけど、今日は大切な何かを掴んだ気がしたよ……」
「私もですよ?」
「そっか……ならば俺達は俺達なりに大勝利だよなっ!」
「ですね♪」
珍しく年頃の壊顔をして笑う肇さん。
そうだ……俺達は、今までから一歩を進んだ。本当の勝負はここからだ。
そう意気込む所に社用のケータイが鳴り響く。着信音は『帝国のマーチ』……ダース・ベイダーのテーマだ……この着信音で設定されてるのは1人しか居ない……何だよ、チッヒーからか。
脇道に車を止めて応答する。
『お疲れ様。フェスは盛況だったようですね?』
「お疲れ様です……えぇ、盛況でしたが……監視でもしてるんですか?」
『失礼な事を言わないでくださいよ!今ですね、肇ちゃんのフェスを見てアイドルに志望したいって子が、事務所に来てるんですよ!』
「あー成る程ね。その子が色々と教えてくれたようで……で?それが?」
『面接よろしくお願いしますね?』
「却下」
『社長命令ですよ?』
「フ○ック! あの人は俺に恨みでもあんのかよ! どんだけ新人に仕事回せば気がすむんだよ!」
『まぁまぁ、何だが船橋さんが気に入りそうな女の子ですよ?』
「…………無駄!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁ!!!!!
俺はアイドルにうるさいので簡単には気に入りませんよ!」
『えーなら賭けますか? 気に入ったらドリンク追加で10ケース買ってくださいね?』
「構わん! 何ならジャンピング土下座しながら購入してやりますよ!」
『はい♪約束ですよ?待ってますね?』
「はいはい……後少しで戻れると思うで、その子の相手をしててください」
その後。事務所に居たのが高森 藍子で、俺は見事にジャンピング土下座してドリンクを買わされた……
しかし、財布の中身が減ったが担当アイドルが増えた……きっとプラマイゼロ……寧ろプラス!そう思う!
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