第4話 : 刻星病・中編
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
うに輝きますから」
何でそんなに優しい言葉をくれるのだろうか?効率としては合理的な判断だろうが、人としては誉められた行いではない。人には心がある。効率で切り捨てるには簡単に納得出来ない部分が必ずあるのだ。
「藤原さんは軽蔑しないのか?」
「えぇ、しませんよ?流石に出会った時に知ってれば考えものですが……もう私は貴方を知っていますから、だから揺るぎません」
そうか……彼女と共に過ごした半年は、軽いものでは無かったのか。
あぁヤバい……本当にいつ以来だろうか、こんなに胸が熱くなるのは。
彼女にならば、俺の全てを捧げても良いかも知れない。
「行きましょうプロデューサー。もっと、ずっと先に……貴方と共にならば明るい未来があると信じてますから」
差し伸べられた藤原さんの右手。それを一瞬躊躇いながらも握り返す。
「あぁ、行こう!この先に!俺はきっと肇さんをトップまで押し上げる!」
この時。本当の意味合いで俺は、藤原肇と言う星を胸に刻んだのだろう。
****
その兆候は朝から出ていました。船橋さんの『運命』と言う言葉にドキドキして……そして、出会った時の事を思い返して更にドキドキして……
そして名前で呼んで貰えて、私の心拍数は限界を超えました。
視界がゆっくり進みます。音がゆっくりと流れてます。まるでスロモーションの中で、私だけが平常のように動ける違和感。
空気が肌に絡み付いて、まるで世界と溶けて一つになりかけてるような感覚。脱力と集中の間をたゆってるような不思議な世界……
あぁ……これが船橋さんの見ている世界……
私はあの人と同じものを今見ているのでしょうか?
伝え聞いてる感覚とは何か違うようにも感じますが、それは問題無いのでしょう。どこまでもイメージと集中が広がって行く……それは私の胸から見えない糸が出てきて、回り全てを絡み取って支配するようなイメージ……
今ならどんなイメージも思いのままに表現できそう……
私はそのままステージに上がります。少しの緊張もどこか遠くに消えて、今はただ今できる全力を、藤原 肇のアイドルとして表現をしたい……
─────勝つイメージはできてます。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ