第3話 : 刻星病・前編
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徹夜明けの朝日は目に痛い……信じられるか?俺、4日もまともに寝て無いんだぜ……?
足元に転がるスタドリの空ビンが恨めしい……飲み過ぎて気持ち悪い。
そもそも飲んだ瞬間は効くけど、如何せん持続力が足りない……
「チッヒーよ……俺の体力ゲージを満タンに染めたければ、この三倍の量を持ってこい……無料で」
そもそも、新人にアイドルオーディションを丸投げするとか正気か?
藤原さんのアイドルランクを上げるフェスもあるのに……
いや、本当言えばね、ここまで不眠不休で働く理由は無いのだけど……
「藤原さんの門出だからな……今日フェスで昇格すればCランクだ、そしたら胸張ってアイドルと名乗れる知名度を手に入れられるから……」
あの日、引き抜きパーティーで星井美希にライバル宣言した時、彼女を無能なプロデューサーどもに笑われて頭に来た。
だから、少々本気で準備をしている……
今日のフェスに向けて、ネットでの宣伝活動や、ファンサイトの運用。はたまたTwitterでの拡散など、やれる事は全てやった……
ネットは情報の浸透が速い……後は、それを見た人間がどのぐらい興味を示すかだが、なに、始まりがあればソコから藤原さんはトップに登り詰める事が出来るだろう。
「問題はファンの数ではなくて質なんだよな……その辺を今日のフェスで学んで欲しいのだけどね」
今のままでは、何重もの策を労して激運さえあれば、辛うじて星井美 希には勝てる……と思うが。天海 春香には絶対に追い付けない……
藤原 肇はAランク相当だ。でも、まだアイドルとしてAランクと言う訳では無い。
この溝を埋めない限り、彼女はBランクにもなれないだろう……
それは何故か?アイドルとはしばし宗教と並べらる事もある。
偶像崇拝なんて言えばピンと来るだろうか?
アイドルと言う仕事をする人間を媒体に、そこに理想の姿を投影する。
その辺の事情は人に寄り様々だろうが、終始アイドルとは、アイドルをする人間とそのファンとの合わせ鏡によって、アイドルとして発展していくのだ。
詰まりはファンと言う信者が居て、アイドルと言う神様は祭られ続けてるのだから、彼らの数と信仰は、即ちアイドルの力そのモノでもある。
「……そして、今日のフェスの相手は765プロのシアター組か……」
主戦力ではないが次世代の765のホープ達だ。無論、Cランクと言えど油断は出来ない。
ハッキリ言ってしまえば、単純な技量では相手を上回ってる。それでも、五分の戦いを強いられるだろう……
アイドルランクを上げるフェスは……例えるならば少年雑誌ジャンプで、新人が連載漫画を引きずり下ろして、連載を勝ち取る事に酷似している。
先を走る
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