暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第29話「自己犠牲」
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リスの銃弾をかいくぐり、大鷲に飛んでいく。



ドズンッ!!


一際鈍い音が鳴り響く。
フランシスカの刃は、アイリスが撃ち抜いた大鷲の左上の眼に深く突き刺さっていた。


「グゲエエェェエェェェェェェエエエェェエェァアッァァァァアアアアアアアァァァア!!!」


再び大きな絶叫が聞こえてきた。
それと同時に、大鷲の飛行速度と高度が劇的に落ちた。
このまま行けば、間違いなく3人のいる場所に落ちてくる。

「来たな……クリス、準備は出来ているか?」

「いつでも。それにしても……手強そうですね」

「ああ。見かけ以上に耐久力がありそうだ」

シャルルは残っているフランシスカ2本を腰のベルトの金具に固定し、ファルシオンに持ち替える。



大鷲がとうとう頭上まで迫ってきた。

「来るぞ! 退避しろ!」

3人が一斉に後方に跳ぶ。
その直後



ドゴオォォォォン!!!!



激しい衝撃音と土煙とともに、大鷲"フレースヴェルグ"が凱旋門の展望台に落ちてきた。


「(遠くから見ていた時は気づきませんでしたが……想像以上に大きい…)」


シャルルから約15mと聞いていたが、近距離で見るとかなりの巨体だった。
しかも、落ちてきたときの衝撃を考えると、重量もその巨体に見合う程度はあるらしい。

そんな怪物に、この狭い展望台で暴れられると厄介だ。

「シャルルさん!」

「分かっている! 起き上がる前に畳みかける!」

クリスは拳を、シャルルはファルシオンを力強く握り、大鷲の頭目掛けて駆けだした。
渾身の一撃を怪物の頭に浴びせるために。

しかし……











「ゴガアアァァアアアァァァアァァァァァアアアアァアアアアァァァアァァ!!!!!」


先程までの絶叫とは違う、威嚇するような低く鋭い叫び。

「うぐっ!?」

「くっ……!?」

突然の大鷲の叫びに、2人とも耳を塞ぐ。
それを待っていたかのように、大鷲が起き上がる。
起き上がると同時に、巨大な翼を翻す。

強烈な突風が2人を吹き飛ばす。

「うわぁ!?」

「くそっ!」

クリスは思い切り吹き飛ばされ、シャルルはファルシオンを地面に突き立て何とか耐えきった。
だがそれで終わりではなかった。


「グゲェェエエアアァアァァ!!!!」

大鷲が3人に向かってその大きな翼を、薙ぎ払うような動きで翻す。
耐え難い突風と、赤黒い羽根が飛んできた。
羽根の先端は非常に鋭く、突き刺さっただけでも重傷を負うだろう。



「ッ!アイさん!!」

態勢を立て直したクリスが、アイリスを羽根から庇うために駆けだす。
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