暁 〜小説投稿サイト〜
K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K19 鏡、それは装者ならざる者
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。しかもそれが天羽々斬の風鳴翼、イチイバルの雪音クリスだった。

(ああ、もう、どこから文句をつければいいやら!)

 Anti_LiNKERのせいでヨハンも調もシンフォギアを纏えない。実質、切歌しか戦える者がいない。切歌の情が回り回って彼らを窮地に立たせた。

 だからとて、ヨハン・K・オスティナが暁切歌を一人で戦わせる道理などない。

「切歌!」

 名を呼び、ヨハン自身は風鳴翼へ向かって走った。
 走りながら、遺体の黒炭に混じって落ちたマシンガンを掻っ攫い、トリガーを引いた。

 タタタタッ! ダダダッ!

 しかし翼は弾の尽くを斬り捨てた。元より弾丸より日本刀が強いのは知っていたので驚かない。

 ヨハンはすぐにドックファイトの構えを取り、翼に飛びかかった。いくら翼が装者として優秀でも、生身の人間をアームドギアで斬れるほど非常識ではあるまいと踏んで。





「切歌!」

 名を呼ばれただけで意図は分かった。
 切歌はイチイバルの装者、雪音クリスをターゲットに定めて駆けた。

「はああああ!」

 大鎌を振り抜く。クリスは下がって距離を取ろうとするから、さらに追う。

「くそっ、またテメェかよ!」
「またあたし――デス!!」

 弾幕をイガリマの一薙ぎで誘爆させた。

 砲撃のイチイバルには切歌、ショートレンジのガングニールには調、剣を武器とし多彩な技巧を持つ天羽々斬にはマリアかヨハン。そのような対戦カードで臨むことで彼らはハンデを補ってきた。

 しかし今回は、対戦カードこそいつも通りだが、ヨハンは生身だ。避けられても、決定的な攻撃に出られない。ヨハンはいずれ詰む。


「――ふっ!」
「がは!?」
「ヨハンッ!」


 やはり詰んだ。ヨハンは風鳴翼の峰打ちでうつ伏せに倒れていた。
 切歌はヨハンを案じ、攻撃の手を止めてしまった。

 横から脇腹に、抉るようなキックが来た。
 切歌は思わず大鎌を落とし、後ろに転がった。

「あたしだってオッサンの面白トレーニングくらい受けてらぁ!」

 腹を押さえて咳き込んだ。今のは効いた。内臓まで吐くかと思った。
 倒れた切歌に、クリスが赤いボウガンを突きつける。矢でも弾でも、妙な動きをしようものなら撃つという威嚇行動。

 ロクに動けなくなった切歌は悔しさに歯を食い縛った。

(せめてもの救いは、あたしとヨハンにかかりきりだから、調は逃げる余地があるってことだけ……)

 端で所在なく佇む調を見やる。調だけは無事だ。切歌はつい笑みを漏らし――


            「 ――Rei shen-shou-jing rei zizzl―― 」


 翼に背中を踏まれて倒れて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ