2期/ヨハン編
K19 鏡、それは装者ならざる者
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た。しかもそれが天羽々斬の風鳴翼、イチイバルの雪音クリスだった。
(ああ、もう、どこから文句をつければいいやら!)
Anti_LiNKERのせいでヨハンも調もシンフォギアを纏えない。実質、切歌しか戦える者がいない。切歌の情が回り回って彼らを窮地に立たせた。
だからとて、ヨハン・K・オスティナが暁切歌を一人で戦わせる道理などない。
「切歌!」
名を呼び、ヨハン自身は風鳴翼へ向かって走った。
走りながら、遺体の黒炭に混じって落ちたマシンガンを掻っ攫い、トリガーを引いた。
タタタタッ! ダダダッ!
しかし翼は弾の尽くを斬り捨てた。元より弾丸より日本刀が強いのは知っていたので驚かない。
ヨハンはすぐにドックファイトの構えを取り、翼に飛びかかった。いくら翼が装者として優秀でも、生身の人間をアームドギアで斬れるほど非常識ではあるまいと踏んで。
「切歌!」
名を呼ばれただけで意図は分かった。
切歌はイチイバルの装者、雪音クリスをターゲットに定めて駆けた。
「はああああ!」
大鎌を振り抜く。クリスは下がって距離を取ろうとするから、さらに追う。
「くそっ、またテメェかよ!」
「またあたし――デス!!」
弾幕をイガリマの一薙ぎで誘爆させた。
砲撃のイチイバルには切歌、ショートレンジのガングニールには調、剣を武器とし多彩な技巧を持つ天羽々斬にはマリアかヨハン。そのような対戦カードで臨むことで彼らはハンデを補ってきた。
しかし今回は、対戦カードこそいつも通りだが、ヨハンは生身だ。避けられても、決定的な攻撃に出られない。ヨハンはいずれ詰む。
「――ふっ!」
「がは!?」
「ヨハンッ!」
やはり詰んだ。ヨハンは風鳴翼の峰打ちでうつ伏せに倒れていた。
切歌はヨハンを案じ、攻撃の手を止めてしまった。
横から脇腹に、抉るようなキックが来た。
切歌は思わず大鎌を落とし、後ろに転がった。
「あたしだってオッサンの面白トレーニングくらい受けてらぁ!」
腹を押さえて咳き込んだ。今のは効いた。内臓まで吐くかと思った。
倒れた切歌に、クリスが赤いボウガンを突きつける。矢でも弾でも、妙な動きをしようものなら撃つという威嚇行動。
ロクに動けなくなった切歌は悔しさに歯を食い縛った。
(せめてもの救いは、あたしとヨハンにかかりきりだから、調は逃げる余地があるってことだけ……)
端で所在なく佇む調を見やる。調だけは無事だ。切歌はつい笑みを漏らし――
「 ――Rei shen-shou-jing rei zizzl―― 」
翼に背中を踏まれて倒れて
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