十話:少女と日常
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達にとっては上位選手というものは憧れの存在なのだろう。
そんなヒーローの身近にいる人に話を聞きたいといった所だろうか。
まあ、隠すことは特にないから話すけどな。
「ああ、知り合いだな。ハリーと同級生なのはコロナちゃんは知っているか。ヴィクターに関しては……最近はバイト先の雇主だな」
「バイトですか?」
「そうだ。いいか、ミウラちゃん。人が生きていくためにはお金が必要不可欠なんだ。気づけばサイフになっていたなんてことは人生ざらにあるぞ」
「き、気をつけます!」
哀愁の漂う目で告げる俺に対してコクコクと頷くミウラちゃん。
どうやらお金の大切さが伝わったようでなによりだ。
また、明日もエドガー監修の元で執事のバイトをするので睡眠時間が削られる。
はぁ……仕事したくない。だが、金がなければ生きられない。ああ、無情。
「チャンピオンとはどんな関係なんですか?」
「ジークとか? ジークとは……何と言えばいいのか」
目をキラキラとさせたヴィヴィオちゃんの質問にどう答えればいいのか迷ってしまう。
正直に言ってこのまま攫って娘にしてしまいたいと思うような笑顔の少女の夢を壊すようなことを言っていいのだろうか?
乞食、家事壊滅、Gを見たら家崩壊、このどれもが少女達の夢を壊してしまうかもしれない特大の爆弾だ。
ここは嘘をついて何でもできる良き親友と答えるべきか。
それともちょっぴりお茶目なドジっ子の知り合いとオブラートに包んで伝えるべきか。
非常に判断に悩む。
すると、そんな俺の様子に何を思ったのか先程よりも目の輝きを増したヴィヴィオちゃんが詰め寄って来る。
止めてくれ、そんな目で見られたら俺が成仏してしまう。
「もしかして……付き合っているんですか?」
「ほ、本当ですか! あのチャンピオンと付き合っているんですか!?」
「詳しくお聞きしたいです!」
「あの……ボクも」
「リヒターさんが付き合っている。そうですか……」
気づけば盛大な誤解を受けていた。
女の子だからかその手の話には目がないのか物凄い勢いで詰め寄って来る少女達に思わず頬が引きつる。
おい、誰だ。今ロリコンハーレムって言った奴。俺が好きなのはおっぱいの大きな女性だ!
それと、アインハルトちゃんが何とも言えない表情をしているのは何故だろうか。
クールなタイプだから聞きたくても聞けなくて葛藤でもしているのだろうか。
まあ、とにかく今は誤解を解くとしよう。
しかし、俺は少女達の勢いというものを舐めすぎていた。
「そういえば隣に一緒に座っていました!」
いや、一緒に来たんだから普通は隣に座るよな、コロナちゃん。
「一つのポップコーンを二人で食べてましたよ!」
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