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英雄は誰がために立つ
Life9 広域陽動作戦
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ーは、要請された足止めを確実に熟していった。


 −Interlude−


 ほぼ同時刻。
 シトリー家本邸前では戦闘が起きていた。

 「クッ、一体何なのだコイツらは!」

 一見すれば和洋限らぬ魔物達だが、剣の心得のある執事に真っ二つに斬られたのは夥しい出血と共にグロイ内臓が断面から見える――――と言うワケでは無く、機械的な断面で切られた事によりパチパチとショートしていたり液体燃料が漏れ出ていた。
 つまり魔物を装う機械人形と言うわけだが、そこまでは強くない。
 しかしながら数だけは相当なもので、少なくともシトリー家本邸を取り囲むように押し寄せているにも拘らず、遠方を見る様に眼を細めて見ても魔物を装う機械人形の軍団しか見えなかったのだ。

 「家令!東側が手薄なので増援が欲しいと言う救援がっ!」
 「いいだろう。この場から10・・・・・・いや、30人連れて行け!」
 「ありがとうございます!」

 その言葉と共に給仕が離れていく。
 そして残された家令は、言葉が返ってこないと理解した上で言い放つ。

 「此処から先には何人たりとも通さん!旦那様も奥様も、ソーナ様も眷属の皆様方にも指一本触れさせんぞ。機械人形共!!」

 言い切ると同時に機械人形の軍勢に飛び込んでいく家令。
 此処に、シトリー家本邸防衛線が激化していった。


 −Interlude−


 ほぼ同時刻。
 グレモリー家本邸前でもシトリー家同様、戦闘が起きていた。
 しかし、シトリー家とは違い数は少ないが強かった。
 その理由は魔物達が機械人形では無く、本物であったためだった。

 「家令!何故このような事に成ったのでしょう?」
 「判りませんが原因究明は後でしょう。今はこの状況を如何にかするのが先です」

 そばにいる執事の疑問に返答しながら、両手から魔力弾を放ち魔獣たちを殲滅していくメイド服のグレイフィア・ルキフグス。
 そんな時、後ろから門が開く音が聞こえて来たので振り向くと、中から現れたのはリアスに朱乃、小猫にアーシア、それにギャスパーだった。

 「いけません、お嬢様!」
 「非常事態なのよ!そんな事言っている場合じゃないでしょ!?」

 グレイフィアの近くに居た執事の制止も振り切り、彼女の傍に来たリアス達。

 「状況は?」
 「見ての通りです。この近隣に居ない魔物達までいる上、何故か私たちを完全に敵視しています。それよりお嬢様、士郎殿は何処に?彼が戦線に加わってもらえれば助かるのですが・・・」
 「それが・・・・・・。用事があるって言って、一旦人間界に帰ってしまったのよ・・・」

 不安そうに言うリアス。
 それに対してそうですかと、一言で完結させるグレイフィア。


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