第八十一話
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クの……!」
愛用している銃が吹き飛ばされたことで、ピースの視線がどうしてもそちらに向いてしまう。この接近した距離では、慣れないAA−12を使うことは難しい……が、前方への蹴りが直撃すると、ピースの軽い身体は軽々と吹き飛んでいき、どこかの壁へと激突することで止まる。
「ううっ……!」
俺がAA−12を構えるのを見ると、ピースはハッとして近くの厚い壁へと飛び込んでいく。それは先にAA−12の弾丸を防いだ壁より厚く、そこに隠れたピースのとっさの判断は流石といったところか。
……だが、正しい判断ということは、その分相手に読まれやすい判断、ということだ。俺は新たなマガジンを取り出すと、まだ残弾が残っている筈の古いマガジンを外すと、そのマガジンを新たにAA−12に装着する。そして先と同じく確実に構えると、ピースが隠れている壁にフルオートで発射していく。
壁に着弾した直後、ピースがその壁から姿を見せ、その手には新たな光学銃が握られていた。俺がマガジンを換装している隙に、彼女も吹き飛ばされたブラスターの代わりに、新たな光学銃を用意していたのだろう。その光学銃から発されたレーザーポインターが俺を捉えると、ピースがニヤリと笑って引き金を引く――
「悪いが、もう終わりだ」
――前に。ピースが壁としていた鉄骨が、突如として大爆発を起こしていく。それに近づいていたどころか、それに隠れていたピースは逃げることすら出来ず、ただその爆発へと飲み込まれていく。まだAA−12のフルオート射撃は続いていき、さらにスタジアムに爆発が起きていき、ピースはその爆心地へと成り果てる。
先程装備したマガジンが弾切れを起こし、俺がAA−12をピースがいたであろう場所から下ろすと、俺の前に勝者であることを示すメッセージが表示された。
今のマガジンに装備されていた弾丸は、このAA−12の専用弾薬である《FRAG-12》と呼ばれている弾薬。当たった物の近くで爆発する弾丸――要するに、グレネード弾の対人用サイズである。対人用といえども、その威力は十二分に備えており、それらももちろんフルオート射撃による発射が可能となる。
ただ弾丸を連射するだけではなく――もちろんそれだけでも驚異的だが――まだまだこの銃には可能性がある。あとは自分がどこまでやれるか……そう考えながら、俺はスタジアムから総督府へと、再び転移されていった。
……そして、再び総督府内部。Eブロックの次なる試合が始まるより先に、またどこかで休憩でもするか、と待機場所から歩きだす。やはり電光掲示板を見上げるものの、キリトやシノンの姿は簡単には見当たらない。
どこかで落ち着くついでに、電光掲示板を見やすい場所を探そうとすると――
「…………っ!」
――《奴
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