第八十一話
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ドテールを翻しながら、忍者のように身を屈めて接近してくる。それに対して俺はAA−12をしっかりと肩に構えると、勢いよく引き金を引くとフルオートで弾丸が発射され、走ってくるピースに殺到していく。
「甘いです!」
しかしピースはその走りを止めることなく、弾丸と弾丸の間をすり抜けるように避けていく。髪の毛や腕にカス当たりはするものの、その程度ではダメージにすらなりはしない。さらにピースの右手の銃がこちらに向けられたかと思えば、俺の視界を光が包み込んだ。
「うぐっ!?」
「弾道予測線なんて出ませんよ! なにせ、弾なんて出てないんですから!」
我が意を得たり、というピースの言葉に納得しながらも、とにかく見えないながらもやたらめったらにAA−12を乱射する。俺を襲ったのは閃光弾のような衝撃であり、恐らくピースの右手の銃は敵の視界を封じる――動きが重い、どうやらこちらのステータスを低下させる――特性もあるらしい。徐々に回復してくる火力で辺りを見渡すと――
「頭部に光学バリアはありませんよねぇ!」
――零距離にピースと左手のブラスターがあった。
「くっ!」
ブリッジをするように頭部に放たれたブラスターを避け、そのままゴロゴロと転がってピースから離れ、牽制にAA−12を撃ち込みながら壁に隠れる。避けることは出来る……とは言っても、AA−12の弾幕が厄介なことには違いないらしく、ピースもこちらへの追撃ではなく、どこかへ身を隠すことを選択する。
その隙にまだしぱしぱする目を回復させると、新たなマガジンを取り出し古いマガジンと交換しながら、壁から壁へと移動していく。ピースの戦い方は右手の光学銃でこちらの視界を封じ、その隙に左手のブラスターを叩き込む、という戦術。恐らく、左手のブラスターを零距離でくらえば一撃必殺……という結果に終わるだろう。
その作戦に対抗するにはどうするか。
まずはピースが隠れている壁に対し、AA−12をまたもやフルオートで連射する。なかなか巨大な破片だったものの、AA−12の前では一瞬しか耐えることは出来ず、壁を破壊しその裏に隠れたピースに迫る。
「まだまだです!」
ただしその一瞬でピースの逃げる隙を与えてしまい、ピースは破壊された壁から飛び出し、右手の目潰し光学銃を放つ。予測線が無かろうと種が分かれば、その光に当たらないように横っ飛びすると、再びAA−12を構えて狙いをつけると――
「っ!?」
――俺の視界を光が襲った。完璧に避けたはずだったが……その襲いかかってきた光の方向を見て、俺は何が起きたのかを悟った。
反射だ。俺が避けた目潰し光学銃の光は、そのまま背後にあった何らかの偏光するものに当たり、再び俺に向かって襲いかかった。一度反射した
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