第八十一話
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没頭していただけなのだが、確かにあのファンタジーのような銃も気になるので、一応そういうことにしておく。彼女に向けていたAA−12を降ろしつつ、相手がいきなり撃ってきても対応出来るように身構える。
ただ、対戦相手であるピースからは、そんな緊張感はまるで感じられなかったが。
「はい、ボクのこれは皆さんが使っているような実銃ではなく、光学銃です!」
「光学銃……?」
ずずい、と乗りだして説明してくるピースに少し警戒しながらも、彼女が持っている《光学銃》とやらに思索する。確か事前に調べた情報によると、このGGOでは実銃だけではなく、未来的な光学銃もオリジナルとして配備されている……ものの、対人戦ではもっぱら使われることのない銃、とのことだが。
かくいう俺の装備にも《光学銃偏光フィールド》という、光学銃の攻撃を防ぐシステムが装備されている。その程度しか光学銃のイメージがない自分に対し、ピースは語りだした。
「先進的かつ未来的なフォルムとか撃った時の何ともいえない安っぽさを感じられるエフェクトとか現実の銃とかに興味が出ちゃって出費することもないし、性能的な面で言えばめんどくさいリロードもなく弾丸より早いし色々応用も聞いたりと楽しい銃なんです! さらにボクが使うこのブラスターなんかは曲線! にこだわって改造されてまして凄く美しくなってるのが分かりませんか? 薬莢とかが落ちる瞬間が素敵なのは分かりますが、ボク個人としてはこの実銃では真似できないフォルムが好きでして、もっと運営も光学銃を増やしてくれればいいんですけど、やっぱりメッセ送ってみても実銃を優先的に実装してるみたいなんですよね……だからこうして、ボクがBoBで結果を出せばみんな光学銃の良さを分かってくれるんじゃないか、って思って出場したので、この二つが一番お気に入りの子たちなんですよ!」
……とにかく。自分の好きな光学銃を宣伝するために、お気に入りの二丁を持ってBoBに参戦した、ということらしい。もしかしたら光学銃について、戦いを優位に運べる有用な情報を喋っていたかもしれないが、残念ながら聞き取ることが出来たのはそれだけだった。
「……コホン。あとはこの《ピース》、って名前もちょっとお気に入りなんです。このゲームにはちょっと、似合わない名前……ですけど」
苦笑するしか出来ないこちらの気持ちを知ってか知らずか、ピースが咳払いを一つ。その咳払いがスイッチだったかのように、彼女の纏う気配が変わっていく。自分の好きな光学銃のことを語る時では既になく、これからは撃ち合いだ――と言わんばかりに。
「実銃と違って、撃ち殺した感覚がありませんから……『平和』に終わるんですよ!」
――その台詞が戦闘開始の合図。自慢の光学銃を両手に、ピースはそのピンク色のサイ
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