第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
素人風という名のプロの演技
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集者となった遊瀬汐里に狙いを定め、彼女にはちゃんと異性の交際相手がいるというのにレズ調教を始めてしまった。
本当にこんな母を持つ娘としては彼氏さんに申し訳なさすぎる。今すぐ絶縁できるなら絶縁したいし、○ねと言われたら○んでお詫びしたいくらいに。とはいえこの官能小説家は経験や仕事資料に基づいて汐里さんの性感開発や性技教導もしてあげているので、なかなか彼氏も喜んでくれているとか――もう倫理観とか一夫一婦制とかどうでもいいんじゃないかと思わせてくれる歪んだ関係ができてしまっている。
「むぅ。彩姫ちゃんヘンタイじゃないもん」
「うん。お母さんは変態よりも重篤だからね」
「っ! で、でもね、ヘンタイって単語は世界でも通用するんだよ? 凄くない珠希ちゃんっ?」
「うん。知ってる」
自身のパラフィリア疑惑払拭のために弁解を試みる母親に対しての、一部パラフィリアすら魅了する美麗イラストを描く娘による容赦ない塩対応っぷり。
海外にも一定の固定ファンを持つほどにまでなった原画家・イラストレーターである【天河みすず】としての彼女なら握手を求められるだろうが、今の彼女、竜門珠希は一般人である。毒電波を垂れ流すどこかの局のゴールデンタイムにしがみついて演じる総選挙もなければ、マスコミ相手に乾いた笑顔振りまいて熱愛報道を否定する必要もない。
そもそも声優をアイドル視する兄のせいで、アイドルという単語にすら軽い嫌悪感を抱いているくらいだ。
なお、この娘が“Hentai”が世界に通用すると知っていた理由は、自分が描いた18禁同人誌がネット上で海外向けに様々な言語に翻訳されてアップされていたことと関係ないとは言えなくもない……かもしれない。
また、医学上、性的倒錯者が性的倒錯者とみなされるには、一般常識から相当かけ離れたレベルの症状が見られるのだが、それはこんな朝っぱらからできる話ではないうえ、ウィ○さんを見れば解決するので割愛するとして――。
「だったらまずは夫婦間からまともな性行為の範疇のコトをしてよ」
「うんわかっ……って、え? ……あれぇ?」
「気付いてないとでも思った? このあたしが。この家のほぼすべてを掌握してるあたしが」
「いっ、いぃぃえぇ……」
心当たりがあるのか、はたまたありすぎて困るのか、声を震わせて視線をそらす母を前に、かつて友人がドン引きしたほどの広大な敷地と立派な家屋の維持・整備・管理をもこなす、家父長制度とか何それレベルの万能長女は話を続ける。
「じゃあ次からは大丈夫?」
「うんうん。大丈夫だよっ! ほんとにほんとにもうしませんからっ」
「本当に?」
「ほんとにしませんっ」
心中まで勘繰るような視線を送る珠希に、彩姫はまるで鬼軍曹に詰問された二等兵の
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