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BloodTeaHOUSE
ファーストキス
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「今?」

こくこくと必死でうなずく。すでに頭が沸騰しそうなほど緊張してるんだけど‥‥‥

「生憎だけど、今はこの身1つしか持ち合わせてないよ」
「………き…きす…して…ほ…し……」

ぜったい今旧式のロボットがオーバーヒートしたみたいに耳から湯気とか出てるよね‥‥?
地球の温度が上がったのも、南極の氷が溶けるのも、今だったら私のせいだと思う‥‥

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

む、無言‥‥!? い、今からでも、走って逃げるべきかな‥‥‥?
もう恥ずかしくて、今飛白がどんな顔してるのか見ることもできないし、に、逃げちゃう?

「‥‥‥そんなものがお返しになるのかい?」

やっと返ってきた返事に、目と口をぎゅっとつむって何度もうなずく。
今 目とか口とか開いたらタマシイとか抜けちゃいそうだから、もう必死でうなずく。

「物欲のない子だね、君は‥‥‥
 それならお安い御用だけど。ただし、キスだけで終われる保証はないよ?」

その言葉にどきっとする。 え、あ、ぅ‥‥‥
でもすでにもう動けないくらい体がガチガチになっちゃってるし、その、信じてるし‥‥

「かまわないなら、そのまま目を閉じていてくれ‥‥」

私の顎を飛白の大きな手が捕らえて、顔が上を向く。ぜったい私の顔 真っ赤だよね‥‥

「………いいこだ。かわいいよ。……っ………ん………っ」

ずっと外に居たせいか、私が顔を熱くしてたせいか、飛白の唇はひやりと冷たかったけど、
初めてのキスはやさしくて、夢みてるくらい気持ちよかった。

「さ、目を開けておひめさま」
「…………………」
「くすっ、そんな顔して、かわいいなぁ。ますます君に夢中になりそうだよ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

大人の余裕なのか、飛白のいたずらっぽいからかいに目眩がしそうなほど恥ずかしくなる。
でもそれ以上にうれしくて、もう逃げようとは思わないんだけど‥‥

「恥ずかしいのかい?……君は本当に可愛いよ
 こんな君が見れるんだから、勇気を出した甲斐があったよ」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥ぇ? 勇気‥‥? 飛白が?
首を傾けて見つめると、さっと目をそらす飛白。 顔が赤く染まってるのが私にもわかる。

「……意外だったかい?  さすがに僕だって緊張するさ、相手が君なんだからね。
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥おかしいかい?」

一生懸命ぶんぶん首を振る。それって都合よく解釈しちゃっていい、かな? いい、よね?
その、特別だって‥‥思っていい、よね? だったら、すごく、うれしい‥‥‥

「おっと!」

思わずぽすんと、そのまま飛白の胸に飛び込んじゃった。
うれしいけど恥ずかしいから、お互い顔が見えないようにするに
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