準決勝、自由(フリーダム)と絶望(デスペレイション) 後編
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バトル終了直後、気が抜けたのか身体中の痛みのせいなのかその場で倒れてしまった。
「トウイ! 」
「大丈夫!? 」
「大丈夫大丈夫……イツツツ…」
ヒロヤ君が肩を借してくれ辛うじて立ち上がる。所々に痛みがあるが、今はそれどころではない。
「ユウキ君…」
バトルシステムの向かい側を見ると、既に撤収したのかユウキ君達の姿が見当たらなかった。
「おい、俺達も早く出るぞ。お前の治療も必要だしな」
「医務室なら、確か宿舎の所にあったはずだからそこに向かいましょう」
そのまま肩を借りた状態で会場を一時後にして医務室で治療を受けた。二人は聖鳳学園とガンプラ学園の試合を見に行くと言っていたが、行く手前にヒロヤ君が「俺主人公だよな?今回全然活躍してなかったんだが…」と言っていたが、シノさんと僕で「「大丈夫(よ)。次回もそうだから」」と返すと、ケガ人に対して容赦ない回し蹴りを放たれてしまい見事に命中した。
「てか何故僕だけ?いやまあ女の子に攻撃するのもどうかと思うけども…」
医務室のベッドで横になりながら愚痴るも、それは誰の耳にも入るわけがなく、無情にも病室で響くだけだった。……むなしい…。
「………このままいくと前回倒れた時と同じことが起こると、僕の勘がそう言っているんだけど気のせいかな? 」
「何のことだが知らないが、その勘は多分当たりのようだ」
「へっ?…えっ!? 」
病室の入り口の方を見るとミサキ…じゃなくて、ユウキ君が扉に寄りかかりながら立っていた。
「……調子はどうだ?って言っても、やったのは俺だけどな」
苦笑しながら言ってきたその姿は、昔と何の変わりない、いつも見ていた懐かしい顔だった。
「お前の思い、確かに感じた。そのせいか身体の内側にあった色々な思いが吹き飛んでスッキリしたわ。たくっ…何言ってんだがな俺は」
「ユウキ君…。あの時は本当に……」
「言うな」
「えっ? 」
「もう気にしてねえよ。またお前と、全力でバトル出来たんだ。あの時のバトルの決着が、今日やっとついた。今はそれでいいだろ? 」
「………ありがとう…」
「それはこっちのセリフだ」
しばらくそのまま話をしていると、恥ずかしいことにお腹から盛大な音が鳴ってしまい、ユウキ君が呆れながら「何か買ってきてやるよ」と言って部屋から出ていった。
少したった後にユウキ君が戻ってきて、コンビニの袋を渡されて中身を確認する。
「ん?ちょっとユウキ君!僕梅干し入りのおにぎりと明太子は食べれないんだけど!これじゃあ食べれるのが鮭おにぎりと塩おにぎりとメロンパンとエクレアだけじゃないか!っあれ?思いの外食べれるのある」
「やっぱりお前バカだな。ちなみに知ってて買
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