第百十六話
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けの状態で、まずは流し込み始めた。ほんの少しでも武双が苦しく感じたのは分かったけど、それでも唇を離せない。そもそも、武双が離さないように私の頭を押さえている。
本当に武双は、私の狂気の全てを受け入れようとしている。それが簡単に分っちゃったから、私はそのまま流し込み続ける。
「・・・もっと一気に、頼む。下手に時間をかけると、余計にキツイ・・・」
「・・・・・・うん、わかった」
自分の中の狂気は、少し薄れた。おかげで、しゃべるのもつらいほどの狂気からは解放されてる。でも、まだ足りない。まだ私の中にはある。
だから、もう一度唇をかさねて、次は舌も入れた。こっちの方が繋がりをより強くできるっていうのもあるんだけど、それ以上に、ただ入れたかっただけなのもあるかもしれない。ディープにしていないのは、他の妹たちや姉もしているのに自分がしていない状況には、前々から不満があった。
武双には今そんな余裕はないだろうから、大胆に行く。思いっきり入れて、武双のそれと絡める。舌だけじゃなくてその歯の裏側まで舐めて、ピチャピチャという音を立ててからめてから、一気に吸い上げて武双の唾液も飲む。
自分は何をしているのか。そう問いただしたい思いもあるんだけど、それ以上に目の前の存在を愛おしく感じてしまって、頼りに感じてしまって、やめることが出来ない。
そんなことをしながら、狂気も流し込む。間違いなく武双の体に溜まっていて、武双の体を蝕もうとしている、私の狂気。それなのに受け入れてくれていることがとても嬉しくて、とても申し訳なくて、気が付けば私の腕は武双の背に回っていた。
最後の一絞り。本当の本当に最後の、私の中で作り出してしまった狂気を流し終えて、口を離す。唾液の線が私と武双の間で繋がり、伸びて、そして途切れる。その様子に少しばかり残念に感じたり。いつの間にか武双の手が私の頭から離れていたことに驚きを覚えたり。そんな感情そっちのけでぼーっとしたり。そんなことをしているうちに、今の状況を思い出した。
「む、武双。大丈夫、ですか?」
「ああ、大丈夫・・・問題、ない・・・」
「そんな様子で言っても、説得力があるわけないです!」
顔色は悪いなんて言うもんじゃない。体は小刻みに震えて、それなのに表情は無理矢理に笑っている。やっぱり、あれだけの狂気では・・・
「・・・我は、、戦の神」
その時、武双は言霊を唱え始めた。
「戦場に立つものよ。狂え。その欲のままに蹂躙し、獣欲のままにむさぼれ。それこそが・・・勝鬨、なり!」
これは、ザババの言霊?権能発動ではなく、ザババから簒奪した力そのものの・・・?
「はぁ、はぁ、はぁ・・・あー、残りくらいなら、寝てりゃ何とかなんだろ・・・」
「む、武双?本当に、大丈夫なのです
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