第百十六話
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ンギヌス》は回収され、その間に金属糸が左腕を切り裂いて、聖槍が右肩を貫く。まずは両の手を封じてから、次に進む。
「この、クソ・・・」
「戸惑っておるばかりでは、すぐ死ぬぞ?」
間接的に数少ない脅威であったティルヴィングを封じたため、近づくことにためらう必要はない。もちろん車輪を避けきれないなどのことがあれば腕は飛ぶだろうが、それで被害を抑えることが出来ればいいという考え。
しかしそれはいつの間にか両腕を使えなくされたという状況に混乱している九人目に対してはいらぬ覚悟であったようで、容易にその腹を聖槍は貫いた。勢いそのままに押し倒したため地面に縫い付けられたその体に触れて。
「『狂え』」
たった一言。その一言で、ヴォジャノーイから簒奪したすべての化身は狂った。使おうものなら、間違いなく九人目に牙をむく。完全に詰み。誰が見ても、後はとどめをさせば終わりというその状況でありながら・・・イヒ、と笑いが漏れ。
「狂え」
次の時には、彼の思考が狂った。
「狂えっ」
次の時には、彼の声が狂った。
「狂えーっ」
次の時には、彼の血流が狂った。
そして。
「狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え。くるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえ。クルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクル
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