九話:選考会と日常
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かり保つっス!?」
「そうだぞ、ハリー。これは現実だ。どんなに辛くても、苦しくても、歯を食いしばって歩いていかないといけないんだ」
「なんか無駄に感動的やね」
ジークからそんなツッコミが入るが無視して現実逃避をしているハリーのデコにデコピン連打を食らわす。
いいかげんに元に戻れ。流石に失礼だとは思わないのか。
「あらあら、ポンコツ不良娘はまともに朝も起きられないお寝坊さんなのかしら。仕方がないですわね」
なんか、ヴィクターが笑顔でハリーを滅茶苦茶に煽ってきた。
そのおかげでハリーは正気に戻ったが目付きが番長らしくなってヴィクターとバチバチと火花を散らし始めた。
……俺を挟んだ状態で。
「あんだと? ヘンテコお嬢様! 誰がそこの万年居眠り野郎と一緒だ!」
「あら、てっきりそこの不真面目サイフ男と同類かと思ったんだけど違うのかしら」
「へっ、こいつと同類になるぐらいなら秒殺KOされた方がましだ。そっちこそ同類じゃねえのか?」
「笑止ですわ。誇り高き雷帝の血を引く、このヴィクトーリア・ダールグリュンがサイフと同類だなんて」
「お前ら喧嘩するのか俺を馬鹿にするのかどっちかにしろ!」
もう止めろ。俺のライフはとっくの昔にゼロなんだ。
これ以上言われたら本気で泣くぞ 。
『居眠りサイフ男』
どっちかにしろとは言ったが俺を馬鹿にする方を優先しろとは一言も言っていない。
おかしい、暑くもないのに目から汗が……。
「リヒターの涙目写真…っ!」
「止めてくれ、ジーク。その写真は俺に効く、止めてくれ」
ジークが目を輝かせて高速で写真を撮ってくる。
若干よだれをこぼしていても気にしない。……もう、なんかカオスだな。
思わず頭を押さえているといきなりバインドで拘束されてしまう。何なんだ、一体。
「何をしているんですか、あなた達は。インターミドル参加選手がガラの悪い子達と思われたらどうします!」
「お前は……『えいえいおー!』?」
「誰が『えいえいおー!』ですか! 確かに言いましたけど、エルスです。エルス・タスミンです!」
ヴィクターとハリー、そしてなぜか間にいた俺をバインドしてきたのは開会式で『えいえいおー!』したエルスさんらしい。
完全に巻き込まれただけである俺を捕まえたのは誤解だと思うが一先ず俺に対して失礼な二人を束縛したのは称えたい。
「せやけど、観客席で魔法使うのも良くないと思うんよ」
「チャ、チャンピオン!?」
『チャンピオン!?』
ジークに気づいたエルスが叫ぶとその声に反応した観客や選手がこちらを見てくる。
ヴィクターとハリーもなんだかんだで有名人だからな。
一般人の俺にとっては肩身が狭い。あ、リオちゃん達もこっ
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