暁 〜小説投稿サイト〜
異世界系暗殺者
玉璽の時間・3時間目(2016/05/16 一部修正)
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


俺の攻撃をモロに受けたぬのおっさんは腕から血を吹き出しながら、痛みを押し殺した様な声を上げる。


「石の鎧ってのは荊の(トリック)に弱くてね。それさえ使えれば、意外と簡単に砕くことができるもんなんだよ」
「………今のがその荊の(トリック)というものかぬ?」
「いいや。俺は腕の関節を外すことで変幻自在な攻撃を可能とする暗殺技法――蛇活を利用して荊の(トリック)を疑似的に再現してるに過ぎないさ。
んなことより、ぬのおっさん。あんたの右腕もこれで2、3ヵ月は使い物にならなくなった。今からでも投降しろよ」


俺がそう言うと、ぬのおっさんは右腕を垂らした状態で構えを取りながら、石の試作型疑似玉璽(プロトタイプ・サブレガリア)の本体部分を展開し、床部分に接触させようとしていた。


「プロの殺し屋が子供相手に投降などできぬ!」


ぬのおっさんは轟のおっさんと同じ様な台詞を叫ぶと水晶振動周波(クリスタル・クォーツ)を発生させた。が、この水晶振動周波(クリスタル・クォーツ)にも石の鎧と同じ様に対抗手段はある。

スプリンクラーも反応しない様な小規模の炎をいくつか発生させ、それが生み出す僅かな上昇気流を足場に空中を移動すれば、地面を媒介とした水晶振動周波(クリスタル・クォーツ)現象の影響は受けないからな。

ちなみに、ほんの僅かな上昇気流でも足場にできるのは風系暴風族(ライダー)限定なので、俺の様な統合型暴風族(ライダー)や、炎と風の複合型暴風族(ライダー)でもない限り無理な技術ではあるけどな。

兎に角、上昇気流を足場に水晶振動周波(クリスタル・クォーツ)を回避した俺は、そのままぬのおっさんに無駄無駄ラッシュを繰り出そうとした。しかし、それよりも早くぬのおっさんが次の行動を起こした。

ぬのおっさんはポケットから何かしらの装置を取り出し、俺に向けてきたんだ。あれは轟のおっさんが持っていた麻酔ガスか?……丁度いい。これを利用させて貰おうか。

ぬのおっさんが麻酔ガスを噴射すると、俺は自然な感じで脱力し、空中から投げ出される様にぬのおっさんへと向かった。すると、ぬのおっさんは俺の頭を空中で無事な左手を使って鷲掴みにする形で受け止めた。


「悪いぬ、少年戦士。手っ取り早く終わらせる為、スモッグの麻酔ガスを使わせて貰ったヌガッ!!」


俺がガスで意識を失っていると勘違いして完全に油断している隙を突き、俺はぬのおっさんの左前腕部に二重の極みを放ち、今度は左腕を破壊した。


「……な、何故ガスの直撃を受けて意識を失ってないぬ!?」
「轟のおっさん――スモッグだっけ?その人にも言ったけど、俺は毒や菌といった類が効かない特異体質なんだよね」
「ぬっ、ぬぬぬぬぬうぅぅぅ!!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ