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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
Death-gun
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?」
変な音をノドの辺りから発しながら、首を戻すと頬を膨らませたリラがこちらを見上げていた。
「なっ、なにっ?」
「何って……アンタからも言ってやってよ!このバカ何にも反省しないでやんの」
目線を戻すと、へらっとした笑顔を浮かべたレンがこちらを見ていた。だが、真っ青な瞳が半眼だけ開き、こちらを真っ直ぐに射抜いていた。
すべてを見抜いているかのような、その透明な視線から逃れるように首をねじり、苦笑いを浮かべて双子に向き直る。
「ま、まぁ。レンなら大丈夫だよ」
「………………」
無言で目を細めたレンに気づかないフリをしながら、ユウキは手元を振ってウインドウを呼び出した。
表示されたのは、現在進行中の第三回BoB予選の組み合わせ一覧が詳しく載っている、六つのブロックに分かれたトーナメント表。
華奢な指が各ブロックを次々とタップし、それぞれが別ウインドウに分かれて拡大した状態で表示された。
「……あと四回かぁ。全員本戦出れたらいいね」
ちなみにここにいる各人、ブロックは見事にバラバラだ。したがって、決勝以前の予選でかち合って心躍る戦闘になることはない。
「その前にやられんじゃないわよー」
「分かってるよー」
憎たらし気に笑いながら、リラの身体を青い転移光が包んだ。彼女が次に対戦する勝者が決まったのだ。
徐々に薄れていく腕を伸ばし、親指を立てたグーサインを突き付けながらリラは消えた。
続けて、ミナも対戦待機エリアへと飛ばされる。こちらは最後まで眉をハの字にした、対照的な笑顔を頂戴しながらの退場だった。
後には、二人だけが残される。
途端、意識の外に意図して弾き出していた視線が、抑えようもなく斜め後ろから降り注いできた。
「……ユウキねーちゃ」
「レン」
ぴたり、と。
声が止む。
一拍置いてから、《絶剣》と呼ばれる少女はゆっくりと首を巡らせた。
少年の顔には、彼にしては本当に珍しく途方に暮れたような表情がへばりついていた。今にも泣きそうな碧眼を正視していられずに、ユウキはまたしても無理矢理視線をズラした。
「……もうそろそろ、時間だ」
言葉が宙空に解き放たれるとほぼ同時、少女の身体を青い光が包み込んだ。冴え冴えとした薄青のベールの向こうで、何か言いたげな少年がこちらを見据えている。
それに対して何も言えない己を、どこまでも恨むようにユウキは唇を噛む。
――――何でそんなに……
ふと、そんな声を聴いたような気がしたが、しかしその前に少女の意識は緩やかに別の場所へと転移されていた。
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