暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
Death-gun
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大小様々。声質も千変万化の嗤いの雨の中、『 』はゆっくりと両腕を広げた。
「私は、復讐をする訳じゃない」
なぜなら、それはこれからするから。
「私は、屁理屈をこねる訳じゃない」
なぜなら、これは正当なことだから。
「私は、変なことをする訳じゃない」
なぜなら、世界のほうがよほど変だから、
私は――――
「さあ、運命を捻じ曲げよう」
クソッタレな神によって運営されていた運命に押し潰された《あの人》に、再び会うために。
この世の中で一番強い人間とは、孤独で、ただ一人で立つ者なのだ。
―――ヘンリック・イプセン―――
「ノーコンなんて初めに言いなさいよねー!」
「ま、まあまあリラちゃん。勝ったんだしいいじゃない」
いくない!と双子の弱気な方に喚き散らす強気な方に苦笑いを返しながら、レンは後頭部を掻いていた。
「あっははー、忘れちゃっててさー。ま、絶対当てれる方法見つけたからここから先も大丈夫だよ〜」
「ぶぁッかじゃないの!狙撃手相手に銃持ってて接射とか意味不明すぎでしょーが!!」
ぎゃーすか騒ぐ一同だが、しかしただ一人ユウキだけは陰鬱な表情を隠せないでいた。
かすかに。
本当にかすかに震える二の腕をそっとさする。
先の、少年が戦っていた戦闘の一部始終。いつもなら、ただ純粋に目を輝かせて見れたそれが、今はどうしてか見れないでいた。しかも少女自身、それがなぜだか解からないでいた。
―――凄い。
そう、凄かった。
銃弾をあんな至近距離から、この双子に言わせればもう弾道予測線などあってないような距離からフルオートで放たれた全弾を、あまつさえ
ノーコン
(
他のこと
)
を考えながら回避し、彼方のビルから超長距離狙撃された鉛弾を事前予測なしで避けた。さらには、どうしても当たらない自分の生まれ持っての
不幸
(
デバフ
)
を嘆くでもなく、その場の機転で乗り切った。
どれも、自分には出来ないこと。
自分がやったことと言えば、相手を無理矢理自分の土俵に上げていただけ。あえて自身の不得意な分野に躍り出る少年とは、根本から違っているのだ。
―――これは……逃げてる、のかな。
少年が認めるくらいの力がなければ、彼を止めることすらできない。
少年の隣に立つことを望んではいるが、決定的な
失敗
(
はいぼく
)
をして彼に見捨てられることを何よりも恐れている。
否、恐れているという言葉でも"生ぬるい"。
恐怖している。
それこそ――――それこそ、死に物狂いで追いかけるほどには。
「――――ん。……−ちゃん!ユウキッてば!」
「ッん!ふぇッ!
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