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遥かなる星の後
第2話 : 天女の導き・後編
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そして、自分がどう足掻いても手に入らない才能を持っていたから、激しい嫉妬をした。
 でも結局は、彼女は昔の自分だと気が付かされたのだ。
 辿り着きたい場所があって。近付きたい人がいて。
 その心境は痛いほどよくわかる。
 だったら……誘われるままに、その手を取る事に躊躇いなど無い。






 ***





「弁・解!!!!!」





 事務所に帰ってそうそうジャンピング土下座をした。
 地面に激突した膝が痛いです。






「…………ちひろさん。俺は藤原さんを担当したいです……つーか、やはり自分が気に入った人しかプロデュース出来そうにありません」



 意を決した渾身の土下座。でもちひろさんは何も言ってこない……
 恐る恐る顔を上げる。



「知ってましたよ?船橋さんは給料泥棒だって……ね?」



 笑ってる……笑ってるけど悪魔の顔だ……



「な・ん・で!引き抜きに行って!自社のアイドルを担当する事になってるんですか!!!」

「スタエナをそれぞれ15ケース1ヶ月毎に買うので許しください!!!」

「許します♪」

「……………………」




 思いの外あっさり許された……ってか今更だが、事務員に許しを乞う時点でなんか変じゃないのかな……?




「さて、冗談は置いといて、流石に新人が引き抜きできるとは思ってませんよ?」

「あのー……まさか今回も何か裏があったので?」

「さて、どうでしょうか?肇ちゃんが船橋さんと離れてから不調と聞きましたので、試しに一緒の時間を作ってみました……って所ですかね?」

「一緒の時間を作るにしても、何故に引き抜きパーティーなんですか……?」

「それは社長のみぞ知る事ですよ〜流石に、私も完全にあの人の事は分かりませんから、ね?」



 やれやれと嘆息して、少し真面目な顔を作る。



「それで、例の運命の女の子はどうするんですか?諦めます?」

「いえ……探します。無論!藤原さんのプロデュースも疎かにはしません!絶対に!」

「そうですか……なら止めませんよ?でも通常の仕事はしっかりやってもらいますからね?」


 ちひろさんが土下座してきる俺の前に、一枚の企画書を置いた。
『企画 : アイドルオーディション』と大きく名打っている。
 それは文字通りで、正に飾りっ気も無いそのままの意味だ。


「……え?」



「頑張ってくださいね?船橋さんが審査員に選ばれましたから!」





 ………………………………………………………………………………………………リアリー?







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