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遥かなる星の後
第2話 : 天女の導き・後編
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はい……」

「えー、なら何しに来たの?」

「……………………勧誘」











 はい、沈黙。









「……今更ながら、私こう言う者です」


 名刺渡す。


「どうもなの!ミキはね!星井美希なの!」


 うん。知ってるよ?


「……うちのプロダクションに来ませんか?」

「お断りなの!」

「ですよねー」




 とりま引き抜きの勧誘行動したから、セーフだよね?ちひろさんも納得……してくれる事を祈ろうか……
 無理なら今度こそジャンピング土下座丸になるよ……





「あ、そう言えば……」

「なに?」



 唐突に頭に浮かんだ事がある。せっかく765のアイドルが目の前に居るのだ、言ってやりたい事がある。



「藤原 肇」

「フジワラハジメ?」

「藤原 肇ってアイドルを知ってるか?」

「知らない、あなたの担当なの?」

「いいや違うよ、彼女には俺なんかよりも相応しいプロデューサーが居るらしいしね……まぁそこはどうでもいい」


 知らないて言われて苦笑いする。
 それは仕方ない、彼女程の輝きを今の今まで大々的に公表しなかった事務所の責任だ、許すマジ社長&チッヒー。


 だから、彼女に三本指をつき出す。


「3ヶ月……」

「???」

「今から3ヶ月程度したら……藤原 肇は君達のライバルとなる、絶対に!」



 周りのプロデューサーから失笑が漏れる。どこの馬の骨とも知れないプロデューサーが、無名のアイドルを持ち上げて765プロのライバルと言う。
 彼らの笑いにも一理はある。
 あるが……まぁムカついたから、いつの日かデスノートに名前書くリストに追加しとく。
 せいぜい笑えばいい。自分達の見る目の無さを、彼女が輝く星となった後で嘆けばいい!




 だから、これは気の早い宣戦布告だ。





「ふーん。ま、楽しみにしとくの!」

「あぁ、彼女は君を……君達を越える!だから覚えておけよ、藤原 肇……この名前を!」




 ***



 星井美希が去れば、俺の居るテーブルなどに人は残らない。
 例外があるとすれば彼女だけだろう。



「随分と、大きな啖呵を切りましたね?」

「いや……思わずね、でも間違った事は言ったつもりはないよ?君は既に素晴らしいアイドルだからさ!」

「船橋さんのイメージに追い付けてれば良いのですけど……でも、慕う人にあの様に言われたなら、応えないといけませんね」


 どこか困ったように笑って、藤原さんが俺の隣に寄ってくる。

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