第2話 : 天女の導き・後編
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相性が悪い。これは最早結論だ。
理論的な事を積みかさせて未来を重視する俺と、感情や気分を振り回して今も未来も重視する星井美希は、やはり合わないのだろう……
アイドルとして成長しても、彼女はまだまだ人間としては子供なんだと思い知らされる。それが良いか悪いかは人に寄るだろし、個人が全体を決めつけるのは論外だ。
……が、好きか嫌いかならば、俺は星井美希のような生き方は苦手だ……多分。
いや、本来ならば好きなのだろうけど、それでもそんな生き方に実りは少ないと知ってる身としては……好ましく受け取れないのだ。
そうこう考えてる内に星井美希はおにぎりを食べ尽くしてしまった。
どんだけ食べたのやら……これでプロポーションが変わらないなら、世の中女性を敵に回し放題だな。
「………………ふむふむ。やっぱり美味しいけど、何か違うんだよね……ミキね、おにぎりには厳しいの!あなたのおにぎりは美味しいけど、なんか魂がないの!」
「……詳しく、もっと正確に」
「んーとね……どんな風に食べさせたいとか、食べて欲しいとか見えないの!ばんにんむけ?そんな感じなの!」
「いや……まさかおにぎり食べただけで、そこを指摘されるとは……」
それはまさに先天性・集中力自己支配の弱点の一つである。
技術を最短で習得するけど、その過程をほぼ破棄してしまう。
今回のおにぎりにしても、魂も個性も無い機械染みた物だ。人を喜ばせたい工夫とか、名を馳せたい欲望だとか、そんな物が欠如している。
そう……感情や個性も効率のためには排他してしまう。
だが今更だ。今更そんな事は理解している。そんな弱点などはもう受け入れてる。だから指摘されても驚きはしない。
が、再度その事実を認識しよう。
そして、子供と思ったけど、やっぱり少し大人だな……この子は。
「それはいけないと思うなー?あなたは色々と見えてるけど、目の前が見えてないの!それって失礼だよ?」
「ふーむ。肝に命じよう……」
「ところで勧誘しないの?てっきりミキを誘い出すためにおにぎり作ったと思ってたけど……しないの?あなたの話なら少し聞いてもいいかなーって思うよ?」
おいおい、そんなこと言わないでくれ。周りのプロデューサーさんが睨んで来るでしょう?
俺との会話に割って入って来ないだけ常識はあるみたいだけど、明らかにこの後は呼び出し→焼き入れコースですね。
だから!あえてこう言おう!
「俺は君に興味はない!男としてもプロデューサーとして引かれる部分はほぼ皆無だぁ!!!」
うん。いや、真面目にね?
「ふーん?なら他のアイドルを勧誘してるの?」
「……いいえ、してませんね、
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