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遥かなる星の後
プロローグ : 新人には理不尽な難題
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った通り、似合う色だろうとそうでなかろうと、状況により変動します」

「確かに……迂闊でした」

「それに、肇ちゃんは既にアイドル象も、売り出し方も固まりつつあります。おいそれと手を出して、台無しにする可能性だって有るんですよ?」



 まさに正論論破だ。

 ただ、まぁ彼女……藤原肇に関しては、事務所に報告していない事もある。
 これは今すぐに打ち明けたい秘密では無いから……おいそれと彼女に施した特訓やアドバイスの事は、言わずに黙っておくとしよう。



「……そう考えると、身の丈に合ったアイドルを担当する方が合理的なのかもな」

「……まぁ、それだけが理由じゃありませんが、そう言うことです。社長だって貴方が憎くてこんな無茶難題……もとい、試練を与えた訳じゃないんですよ?」


 握り拳で力説しながら詰め寄る千川さん。ここで会ったが百年目と言わんばかりの勢いだが……
 やっぱり口元がニヤニヤしていてムカつく……


「これは、確実に貴方に期待してるんですよ!」

「そう、ですかね……?」

「そうなんです!ほら!スタドリ飲んで頑張りましょう!」

「あ、どうも……これが噂のスタドリですか……」


 研修時代からの噂の品を、思わぬとこでてに入れた。
  実は密かに興味があったんだよね……
 飲めば鬼のように働けるとか、悪魔のように無敵とか……色々言われてる。






「あ、100円になります♪」

「」



 あぁ、俺はやっぱりブラック会社に入ってしまったのかな……?
 つーか……これ売り付ける相手が増えたかニヤニヤしてたのかよ!



 ***


 そんな訳で……絶望7割、やる気2割、希望1割を胸に俺は街へと繰り出した。


 しかし……


 担当アイドル、スカウト、身の丈。


 それらの言葉にはピンと来ない。
 俺が未熟だからも在るだろう。
 しかし……やはり、俺の胸に眠る“アイドル”が何よりも大きいのだろう……
 あの人をプロデュースしたい。それは叶わない願いと知りながらも、思ってしまう。
 だが、こうしてプロデューサーになり、アイドルを支える存在(まだ未熟だが)に成れたのだ。
 そんな、淡い夢を見るのは仕方ないと思うから……



「……って、無理だよな」



 自分で分かるぐらい、そこには諦めの色が宿っている。
 俺が小学生の時にアイドルやってた人だ、ならもう引退しているはずだ……
 既に妙齢な婦人になっているのだろう。
 結婚もして、子供も出来て、安かに残りの人生を生きているのハズだ。


 まぁ、仕方ない。

 元々はお礼を言うために、そして約束を守るために
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