プロローグ : 新人には理不尽な難題
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まで発展させた人ですからね」
それは知っている。研修中にいくらでも話に聞かされた事だ。
正直尊敬に価する実績だ。
「勿論何のノウハウも持たずにスカウトから地道に積み上げたんですよ?」
凄いけど、だから何だと言うのだ?
「……それが何だと言うのです?」
「自分が出来たんだから、同じ人間が出来て当たり前……それが社長の考え見たいですよ?」
「いや、無理だろ」
思わず速攻のツッコミを入れる。無論真顔で。
「わざわざスカウトしなくても……ほら、俺が研修で仮担当した藤原さんとかでもいいでしょう!」
俺が研修で仮にだけど担当した、藤原肇さん。
年下だけど、とある理由でさん呼びしてしまう彼女を思い浮かべて、反論する。
彼女は担当ついてなかったし、俺との相性も悪くなかった。
むしろ、俺は一方的に好感を覚えている。わざわざ新しいアイドルをスカウトする意味はない……よな?
「はぁ……」
「な、何ですかそのため息は!」
「なら、問題です……」
「はぁ?」
「肇ちゃんは蒼を主体とした衣装を着ています。貴方はプロデューサーとし、アクセントカラーに何色を選びますか?」
蒼?衣装??アクセントカラー???
「正解できれば、肇ちゃんの担当にと、私から社長に交渉してあげますから」
「……それなら、是非とも!」
ふむぅ……藤原さんに蒼はよく似合う。
パフォーマンスは歌が主体で、次いでビジュアル……
いや、待てよ……ダンスだってそれなりにやれる……
つーか、彼女なら何色でも使いこなすだろう。表現と言う項目は、その辺のアイドルとはレベルが段違いだ。
むむむ……
「はい、時間切れですよ?」
「え!ちょっと早いですよ!??」
「現場では、誰も貴方を待ってはくれません。今の時間で答えられないなら未熟の一言ですよ?」
「くっ……すいません」
「で、答えはありますか?」
「…………でしたら、赤で……」
対比色だから目立つし、細部なら赤色も似合うと思うから……
例えば、蒼い衣装に紅いブローチとか映えないか?
もしくは薄い赤の天女の羽衣を模したストールとか!
「はぁ……まぁ色は悪く無いですが、不正解です!」
やれやれと大袈裟なアクションで首を振る千川さん。
何となくだが、口元がニヤニヤしていてムカつく……
「っと、言いますか……それ以前ですよ!」
「それ以前って……」
「なんで歌う曲は勿論、色を使用する部分を聞かないんですか?」
「あ……」
「研修で習
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